IO+Chemoへのベバシズマブ add onの成績(APPLE)/日本肺癌学会2022

非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療はIO+化学療法にパラダイムシフトしている。ベバシズマブは化学療法の効果を増強することが報告されているだけでなく、VEGF阻害に伴う免疫抑制の解除による免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果増強も期待されている。
そのような中、NSCLCおいて、ICIであるアテゾリズマブ・化学療法併用へのベバシズマブの追加効果を評価するAPPLE試験が行われている。第63回 日本肺癌学会学術集会では、APPLE試験の初回解析結果を九州大学病院の白石 祥理氏が発表した。
・ 対象:未治療のStageIII/IVの非扁平上皮NSCLC
・試験薬群:アテゾリズマブ+化学療法(CBDCA+ペメトレキセド)+ベバシズマブ 4サイクル→アテゾリズマブ+化学療法+ベバシズマブ PDまで最長2年投与(APPB群)
・対照薬群:アテゾリズマブ+化学療法(CBDCA+ペメトレキセド) 4サイクル→アテゾリズマブ+化学療法 PDまで最長2年投与(APP群)
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央評価委員会(BICR)評価の無増悪生存期間(PFS) PFSのハザード比[HR]は0.727に設定された。
[副次評価項目]治験担当医評価のPFS、全生存期間(OS)、奏効率(RR)、奏効期間、有害事象
主な結果は以下のとおり。
・ITT集団のPFS中央値はAPPB群9.6ヵ月、APP群7.7ヵ月で、HRは0.86(95%信頼区間[CI]:0.77~1.07、p=0.92)であり、当初の基準に及ばず、主要評価項目は達成されなかった。
・OS中央値はAPPB群29.4月、APP群25.3ヵ月であった(HR:0.86、95%CI:0.65~1.13)。
・RRはAPPB群63%、APP群51%であった。
・サブグループを見ると、APPB群のPFSが良好であったドライバー遺伝子異常陽性、肝転移であった。
・EGFR変異陽性例のPFS中央値はAPPB群9.6ヵ月、APP群5.7ヵ月で、HRは0.70(95%CI:0.46~1.06)であった。
・治療関連有害事象はAPPB群2.4%、APP群0.5%に発現した。安全性プロファイルは従来と同様であった。
(ケアネット 細田 雅之)
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