慢性期統合失調症の陰性症状に対するpentoxifylline補助療法~RCT

提供元:ケアネット

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公開日:2022/12/08

 

 エジプト・University of Sadat CityのMahmoud S. Abdallah氏らは、慢性期統合失調症患者の陰性症状軽減に対するリスペリドン治療の補助療法としてpentoxifyllineの有効性および安全性を評価するため、ランダム化プラセボ対照試験を実施した。その結果、慢性期統合失調症患者の陰性症状軽減に対する8週間のリスペリドン+pentoxifylline補助療法は、有望な治療選択肢である可能性が示唆された。CNS Neuroscience & Therapeutics誌オンライン版2022年11月7日号の報告。

 慢性期統合失調症外来患者80例を対象に、リスペリドンとpentoxifyllineまたはプラセボを併用し、8週間投与した。陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いて、試験の開始時、2、4、6、8週目に評価を行った。治療開始前後の血清レベル(cAMP、TNF-α、IL-6)を測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・pentoxifylline群において、陽性症状評価尺度以外のPANSSスコアでTTI(time-treatment interaction)の有意な効果が確認された。
 ●PANSS陰性症状スコア(p<0.001)
 ●PANSS総合精神病理スコア(p<0.001)
 ●PANSS総スコア(p<0.001)
 ●PANSS陽性症状スコア(p=0.169)
・pentoxifylline群は、プラセボ群と比較し、cAMPレベルの有意な増加およびTNF-αとIL-6レベルの有意な減少が認められた。

(鷹野 敦夫)