ブースター接種率、職業や年収によって明確な差

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/29

 

 COVID-19ワクチンのプライマリ接種完了者(以下、ワクチン接種完了者)であっても、ブースター接種を受けるかどうかに関しては、地理的・職業的・社会人口学的な差異があることを、米・NYC Test and Trace CorpsのIsrael T. Agaku氏らが報告した。ブースター接種の必要性と接種意欲に関する調査は実施されているが、同氏らの認識ではブースター接種率とその背景因子を評価した大規模な調査は行われていないため、本調査を実施して社会人口学的要因を明らかにすることにした。JAMA Network Open誌2022年8月19日号掲載の報告。

 この横断的研究は、米国国勢調査局の2021年12月1日~2022年1月10日の家計実態調査を基に行われた。メールやSMSで参加者を募り、オンラインで回答を得た。参加者には、新型コロナワクチンの接種の有無、接種回数と初回に接種したワクチンのメーカー名、自己申告によるCOVID-19感染の有無を尋ねた。また、社会人口学的要因として、COVID-19の感染の有無が不明な人との接触機会を探るため、過去7日間で最もよくいた場所、婚姻状況、子供の人数、居住地域、人種・民族、性別、年齢、最終学歴などを調査した。

 解析対象者は、ワクチン接種を完了している成人13万5,821人(18~44歳は41.5%[平均年齢48.07±17.18歳]、女性51.0%)であった。ブースター接種の定義は、初回に接種したワクチンがジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンの場合は2回以上の接種、ファイザー製ワクチンまたはモデルナ製ワクチンの場合は3回以上の接種とした。調整接種率(APRs)はポアソン回帰法を用いて測定し、ワクチン接種完了者のうちブースター接種を受けた人の背景を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・米国全体のワクチン接種完了者は83.0%で、そのうちブースター接種を受けたのは48.5%であった。ブースター接種の割合が低かった州はミシシッピ州(39.1%)、高かった州はバーモント州(66.5%)であった。
・ブースター接種率が高かったのは、65歳以上の人(71.4%)、メディケア登録者(70.9%)、世帯年収20万ドル以上(参考:2,700万円超)の人(69.3%)、博士号・修士号・専門職の人(68.1%)、既婚で家に子供がいない人(61.2%)、病院勤務者(60.5%)、非ヒスパニック系アジア人(54.1%)であった。
・一方、ブースター接種率が低かったのは、18~24歳の人(24.0%)、独身で家に子供のいる人(24.7%)、経済的困窮者(32.0%)、COVID-19の既感染者(32.5%)、学歴が高等教育以下の人(34.0%)、メディケイド加入者(35.2%)、飲食店・郵便局・更生施設・薬局勤務者であった。
・家の外で働いていない人と比べてブースター接種率が高かったのは、病院勤務者(APR:1.23、95%信頼区間[CI]:1.17~1.30)、医師・歯科医師などの外来医療機関勤務者(同:1.16、同:1.09~1.24)、社会福祉事業従事者(同:1.08、同:1.01~1.15)であった。
・一方、家の外で働いていない人と比べてブースター接種率が低かったのは、農業・林業・漁業・狩猟産業従事者(同:0.83、同:0.72~0.97)、郵便局勤務者、(同:0.84、同:0.60~1.16)、食品以外の製造業従事者(同:0.84、同:0.75~0.94)、飲食店勤務者(同:0.85、同:0.74~0.96)であった。
・ブースター接種を受ける割合は年齢が高くなるとともに高くなり、最終学歴が低いほど低くなった。
・COVID-19と診断されたことがない人に比べて、診断されたことがある人ではブースター接種率が30%低下した(同:0.70、同:0.68~0.73)。
・男性と比べて、女性ではブースター接種率が低かった (同:0.96、同:0.94~0.98)。

 著者は、「本調査から、米国の成人におけるブースター接種率には格差がある。ブースター接種率を改善するには、接種率の低い集団を対象とした取り組みが必要となる可能性がある」とまとめた。

(ケアネット 森幸子)