幼児のいる親はコロナ重症化リスクが低い~300万人超の分析

提供元:ケアネット

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公開日:2022/08/15

 

 米国・Kaiser Permanente Northern California(KPNC)のMatthew D. Solomon氏らが、幼児と接する機会の有無が、成人のCOVID-19重症化リスクに影響するかどうかを、300万人超の大規模なリアルワールドデータで調査した。その結果、家に0~5歳の子供がいる成人では、家に子供がいない成人に比べて重症化率が有意に低いことが報告された。これまで、小児では、過去のSARS-CoV-2以外のコロナウイルスへの曝露による交差免疫が、COVID-19の重症化予防に寄与している可能性が示唆されている。そこで、5歳未満の小児のいる成人ではウイルスへの曝露機会が増加することから、成人のSARS-CoV-2以外のコロナウイルスへの交差免疫の有無を小児との接触と推定して、COVID-19の重症化リスクを評価することにした。Proc Natl Acad Sci USA誌2022年8月16日号に掲載。

 本調査の対象は、2019年2月1日~2021年1月31日にKPNCデータベースに登録されていて、2020年2月1日時点で18歳以上の成人312万6,427人。家に0~5歳(最年少の子の年齢)の子供がいる成人(27万4,316人)を研究群とし、対照群を6~11歳の子供がいる成人(21万1,736人)、12~18歳の子供がいる成人(25万7,762人)、家に子供のいない成人(238万2,613人)とした。研究群と3つの対照群をそれぞれ1:1に割り付け、年齢・糖尿病や高血圧の有無・BMIなどのCOVID-19重症化リスク因子で調整した。主要評価項目は、PCR検査によるSARS-CoV-2感染の確認、COVID-19による入院、COVID-19によるICU利用で、フォローアップは2020年2月1日~2021年1月31日まで行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・各群の子供の年齢が上がるほど、成人の平均年齢は上昇し(0~5歳群:36.2歳、6~11歳群:41.4歳、12~18歳群:44.6歳、子供不在群:50.8歳)、高血圧と糖尿病の有病率も上昇した。BMIは各群で同程度であった。
・COVID-19の重症化リスク因子による傾向分析において、0~5歳群に比べ、6~11歳群および12~18歳群のSARS-CoV-2感染率は高かった(6~11歳群の発生率比[IRR]:1.09、95%信頼区間[CI]:1.05~1.12、p<0.0001、12~18歳群のIRR:1.09、95%CI:1.05~1.13、p<0.0001)。一方、SARS-CoV-2陽性者の入院率およびCOVID-19によるICU利用率に有意差は認められなかった。
・0~5歳群に比べ、子供不在群のSARS-CoV-2感染率は低かった(IRR:0.85、95%CI:0.83~0.87、p<0.0001)。一方、SARS-CoV-2陽性者の入院率およびICU利用率は有意に高かった(入院率のIRR:1.49、95%CI:1.29~1.73、p<0.0001、ICU利用率のIRR:1.76、95%CI:1.19~2.58、p=0.0043)。

 Solomon氏らは、本調査の結果により、SARS-CoV-2以外のコロナウイルス曝露による交差免疫は、COVID-19の重症化を抑制する可能性があるとまとめている。

(ケアネット 森 幸子)