入院うつ病患者の自殺リスクに対する不眠症の影響

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/13

 

 不眠症は、うつ病に関連する重要な症状であり、自殺のリスク因子の1つであるといわれている。いくつかの研究によると、うつ病患者では不眠症と自殺行動との関連が示唆されているが、入院患者の大規模サンプルによる評価は十分に行われていなかった。米国・ハーバード大学医学大学院のZeeshan Mansuri氏らは、入院うつ病患者を対象に不眠症の有無による自殺リスクの評価を行った。その結果、うつ病患者の不眠症は自殺リスクと有意に関連することが示唆されたことから、不眠症を合併しているうつ病患者では、自殺行動をより注意深くモニタリングする必要があると報告した。Behavioral Sciences誌2022年4月19日号の報告。

 ICD-9のコードを用いたNational Inpatient Sample(NIS 2006-2015)データベースより、1次診断時うつ病と診断され、不眠症状を併発していた患者(MDD+I群)のデータを収集した。比較対照を行うため、MDD+I群と1対2でマッチさせた不眠症のないうつ病患者を対照群として設定した。両群間の自殺念慮および自殺企図に関するデータを比較するため、多変量ロジスティック回帰分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・分析には、MDD+I群13万9,061例と対照群27万6,496例が含まれた。
・MDD+I群は、対照群と比較し、より高齢であった(47歳 vs.45歳、p<0.001)。
・自殺念慮および自殺企図の割合は、MDD+I群で56.0%、対照群で42.0%であった(p<0.001)。
・年齢、性別、人種、境界性パーソナリティ障害、不安症、物質使用障害で調整した後、不眠症は、入院うつ病患者における自殺行動の1.71倍増加と関連することが認められた(オッズ比:1.71、95%CI:1.60~1.82、p<0.001)。

(鷹野 敦夫)