二次性副甲状腺機能亢進症治療薬ウパシカルセトナトリウム水和物が承認取得/三和化学

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/26

 

 株式会社三和化学研究所は6月23日、ウパシカルセトナトリウム水和物(商品名:ウパシタ)が、血液透析下における二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として厚生労働省より製造販売承認を受けたことを発表した。

 ウパシカルセトナトリウム水和物は、透析回路から投与できる注射剤であるため、飲水量が厳しく制限されている透析患者への負担の軽減、確実な投与が期待される。

 二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎臓病の進行に伴い発症する合併症の1つで、副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病態である。PTHが過剰に分泌されると骨からリンおよびカルシウムの血中への流出が促進され、その結果、骨折や心血管系の石灰化による動脈硬化などの発症リスクが高まり、生命予後に影響を及ぼすことが報告されている。

 ウパシカルセトナトリウム水和物は、副甲状腺細胞膜上に存在するカルシウム受容体(CaSR)に作用することで、PTHの過剰な分泌を抑制する。

 同剤は、国内において創製、開発された、静注用CaSR作動薬であり、今後は、三和化学とキッセイ薬品工業株式会社の2社が共同で医療機関等への医薬情報提供活動を行う予定。

<製品概要>
・販売名:ウパシタ静注透析用25μg/50μg/100μg/150μg/200μg/250μg/300μgシリンジ
・一般名:ウパシカルセトナトリウム水和物
・効能・効果:血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症
・用法・用量:
通常、成人には、ウパシカルセトナトリウムとして1回25μgを開始用量とし、週3回、透析終了時の返血時に透析回路静脈側に注入する。血清カルシウム濃度に応じて開始用量を1回50μgとすることができる。以後は、患者の副甲状腺ホルモン(PTH)および血清カルシウム濃度の十分な観察のもと、1回25~300μgの範囲内で適宜用量を調整する。
・製造販売承認日:2021年6月23日

(ケアネット 高津 優人)