シスプラチン不適の尿路上皮がんに対するペムブロリズマブの長期追跡結果(KEYNOTE-052)/ASCO2021

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/24

 

 シスプラチン不適の進行性尿路上皮がん(mUC)に対する1次治療としてのペムブロリズマブの単剤投与の長期追跡結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・シカゴ大学のP.H.O’Donnell氏から報告された。

 本試験(KEYNOTE-052)は国際共同第II相試験である。主要評価項目である全奏効率(ORR)については2017年に報告されているが、今回は生存期間も含めた長期追跡の報告となる。

・対象:シスプラチン投与に不適な未治療のmUC症例370例(PS0~2)
・介入:ペムブロリズマブ200mg/回を3週間ごと投与
・評価項目:
[主要評価項目]独立評価委員によるORR
[副次評価項目]独立評価委員による無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・患者の年齢中央値は74歳、高PD-L1群は30%、PS2は42%、内臓転移あり85%であった。
・2年間の薬剤治療を完遂した症例は11.9%であった(中止理由の59.5%は病勢進行)。
・追跡期間中央値56.3ヵ月時点でのORRは28.9%(CR9.5%)であった。
・PD-L1レベルによるORRは、高PD-L1群では47.3%(CR20.9%、PR26.4%)、低PD-L1群では20.7%(CR4.0%、PR16.7%)であった。
・ITT集団でのOS中央値は11.3ヵ月、2年OS率は31.5%、4年OS率は10%であった。
・OSをPD-L1レベルでみると、高PD-L1群の中央値は18.5ヵ月で、2年OS率46.9%、4年OS率31.9%であり、低PD-L1群ではそれぞれ、9.7ヵ月、2年24.3%、4年12.9%であった。
・DoR中央値は33.4ヵ月であり、3年時点で奏効を保っている症例は44.8%であった。高PD-L1群の中央値は未到達、低PD-L1群では21.2ヵ月であった。
・安全性プロファイルは、他の試験と同様であり新たな兆候はなかった。

(ケアネット)

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