強力ステロイドの外用の継続使用、骨粗鬆症と関連

提供元:ケアネット

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公開日:2021/02/17

 

 作用が強力なステロイド外用薬の継続的使用は、用量依存的に骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折のリスクを増大するとの研究結果が示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らが、2003~17年に強力もしくは非常に強力なステロイド外用薬治療を受けたデンマーク成人患者72万3,251例について後ろ向きに解析し、明らかにした。これまで内服もしくは吸入コルチコステロイドについては、継続的使用や大量使用において骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折リスクとの関連性があることが示唆されていたが、外用薬については大規模な検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。

 研究グループは、強力な、もしくは非常に強力な局所コルチコステロイド(TCS)の累積曝露と主要な骨粗鬆症性骨折(MOF)リスクとの関連を調べるため、全国的な後ろ向きコホート研究を実施した。対象は、2003年1月1日~2017年12月31日に強力もしくは非常に強力なTCS治療を受けたデンマーク成人とした。

 データはデンマーク全国レジストリから入手し、記入済みの処方データをモメタゾンフランカルボン酸エステル(1mg/g)に等価用量変換して評価した。患者は、モメタゾンを等価用量で累積500g以上処方されていた場合に曝露群とし、200~499gの患者を参照群とした。

 主要アウトカムは、骨粗鬆症またはMOFの診断とした。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、年齢・性別・社会経済的状態・使用薬・併存疾患で補正後にハザード比(HR)を95%信頼区間(CI)値とともに算出して評価した。データ解析は2019年6月1日~8月31日に行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・解析には、等価用量200g以上のモメタゾン治療を受けていた、計72万3,251例の成人患者が含まれた(女性52.8%、平均年齢52.8[SD 19.2]歳)。
・強力もしくは非常に強力なTCSの使用増大と、骨粗鬆症およびMOFリスクとの間に用量依存の関連が認められた。
・たとえば、MOFのHRは、500~999g曝露群では1.01(95%CI:0.99~1.03)、1,000~1,999g曝露群は1.05(1.02~1.08)、2,000~9,999g曝露群は1.10(1.07~1.13)、1万g以上曝露群は1.27(1.19~1.35)であった。
・骨粗鬆症およびMOFの相対リスクは、いずれもTCSの累積用量が倍増するごとに3%増大した(いずれもHR:1.03[95%CI:1.02~1.04])。
・全体的な集団寄与リスクは、骨粗鬆症が4.3%(95%CI:2.7~5.8)、MOFが2.7%(1.7~3.8)であった。
・危害を受ける患者が1人増えるのに要した最低曝露(454人年)は、MOFを呈した1万g以上曝露群で観察された。

(ケアネット)