PD-L1高発現NSCLC1次治療、抗PD-L1抗体cemiplimab vs.化学療法(EMPOWER-Lung1)/ESMO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/19

 

 トルコ・Baskent大学のAhmet Sezer氏は、未治療でPD-L1発現率が50%以上の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する抗PD-1抗体cemiplimabとプラチナダブレット化学療法を比較した無作為化非盲検第III相EMPOWER-Lung1試験の2回目の中間解析の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。cemiplimabは併用化学療法に比べ、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したと報告した。

・対象:PD-L1≧50%で未治療のStage3B/C、4のNSCLC(扁平上皮・非扁平上皮含む、安定している既治療のCNS転移含む)
・試験群:cemiplimab 350mg 3週ごとを病勢進行または108週間まで投与(cemiplimab群)
・対照群:プラチナダブレット化学療法 4~6サイクル(併用化学療法群)
・評価項目:
[主要評価項目]OS、PFS
[副次評価項目]客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、健康関連QOL、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・PD-L1≧50%のITT解析対象はcemiplimab群283例、併用化学療法群280例であった。
・併用化学療法群でPDとなった患者の73.9%がcemiplimabにクロスオーバーした。
・OS中央値はcemiplimab群が22.1ヵ月、併用化学療法群が14.3ヵ月で、cemiplimab群で有意な延長を認めた(HR:0.68、95%CI:0.53~0.87、p=0.002)であった。
・PD-L1≧50%のOS中央値は、cemiplimab群が未到達、併用化学療法群が14.2ヵ月で、cemiplimabで有意な延長を認めた(HR:0.57、95%CI:0.42~0.77、p=0.0002)。
・PFS中央値は、cemiplimab群6.2ヵ月、併用化学療法群が5.6ヵ月で、cemiplimab群で有意な延長を認めた(HR:0.59、95%CI:0.49~0.72、p<0.0001)。
・PD-L1≧50%のPFS中央値は、cemiplimab群8.2ヵ月、併用化学療法群が5.7ヵ月で、cemiplimab群で有意な延長を認めた(HR:0.54、95%CI:0.43~0.68、p<0.0001)。
・ORRはcemiplimab群36.5%、併用化学療法群20.6%で、cemiplimab群で有意に高率であった(p<0.0001)。
・PD-L1≧50%のORRはcemiplimab群39.2%、併用化学療法群20.4%で、cemiplimab群で有意に高率であった(p<0.0001)。
・DoR中央値はcemiplimab群21.0ヵ月、併用化学療法群が6.0ヵ月であった。
・Grade3以上の有害事象発現率は、cemiplimab群が37.2%、併用化学療法群が48.5%であった。

 今回の結果を受けてSezer氏は「私たちが得た結果はPD-L1≧50%の進行期NSCLCにおいて、cemiplimab単剤療法は新たな1次治療の選択肢になりうることを示している」と強調した。

(ケアネット)