COVID-19重症化リスクのガイドラインを更新/CDC

提供元:ケアネット

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公開日:2020/07/01

 

 6月25日、米国疾病予防管理センター(CDC)はCOVID-19感染時の重症化リスクに関するガイドラインを更新し、サイトで公開した。

 CDCは、重症化リスクの高い属性として「高齢者」「基礎疾患を持つ人」の2つを挙げ、それぞれのリスクに関する詳細や感染予防対策を提示している。また、今回からリスクを高める可能性がある要因として、妊娠が追加された。

高齢者のリスクと推奨される対策

 米国で報告されたCOVID-19に関連する死亡者の8割は65歳以上となっている。
・他人との接触を避け、やむを得ない場合は手洗い、消毒、マスク着用などの感染予防策をとる。
・疑い症状が出た場合は、2週間自宅に待機する。
・イベントは屋外開催を推奨、参加者同士で物品を共有しない。
・他疾患が進行することを防ぎ、COVID-19を理由に緊急を要する受診を遅らせない。
・インフルエンザ、肺炎球菌ワクチンを接種する。
・健康状態、服薬状況、終末期ケアの希望などをまとめた「ケアプラン」を作成する。

基礎疾患を持つ人のリスクと推奨される対策

【年齢にかかわらず、重症化リスクが高くなる基礎疾患】
・慢性腎疾患
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・臓器移植による免疫不全状態(免疫システム減弱)
・肥満(BMI:30以上)
・心不全、冠動脈疾患、心筋症などの深刻な心臓疾患
・鎌状赤血球症
・2型糖尿病

【重症化リスクが高くなる可能性がある基礎疾患】
・喘息(中等度~重度)
・脳血管疾患(血管と脳への血液供給に影響を与える)
・嚢胞性線維症
・高血圧または高血圧症
・造血幹細胞移植、免疫不全、HIV、副腎皮質ステロイド使用、他の免疫抑制薬の使用による免疫不全状態
・認知症などの神経学的状態
・肝疾患
・妊娠
・肺線維症(肺組織に損傷または瘢痕がある)
・喫煙
・サラセミア(血液疾患の一種)
・1型糖尿病

 上記の基礎疾患を持つ人は高齢者同様の感染予防対策をとるほか、疾患治療を中断せず、1ヵ月分の処方薬を常備することが推奨されている。

(ケアネット 杉崎 真名)

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