トラスツズマブ デルクステカン、HER2変異陽性肺がんに有望な結果示す(DESTINY-Lung01)/ASCO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/04

 

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、抗HER2抗体およびトポイソメラーゼI阻害薬の抗体薬物複合体である。 DESTINY-Lung01(NCT03505710)は、HER2過剰発現またはHER2遺伝子変異陽性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)におけるT-DXdの多施設共同マルチコホートの第II相試験で現在進行中である。 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)では、HER2変異患者に対する、追跡期間中央値8.0ヵ月の中間解析の結果が報告された。

・対象:難治・再発で転移のある非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)。HER2発現またはHER2変異陽性で、pan-HER阻害薬を除くHER2標的療法未治療 42例(女性64.3%)
[コホート1]HER2過剰発現患者
[コホート2]HER2遺伝子変異陽性患者
・介入:T-DXd 6.4mg/kg 3週間ごと投与
・評価項目:
[主要評価項目]独立中央委員会(ICR)評価による全奏効率(ORR)

 主な結果は以下のとおり。

・患者の年齢中央値は63.0歳。ECOG PSは0〜1。45.2%は中枢神経系転移があった。
HER2変異の90.5%はキナーゼドメインであった。
・前治療ラインの中央値は2で、90.5%がプラチナベース化学療法を、54.8%がPD-(L)1阻害薬の治療を受けていた。
・ ICR評価のORRは61.9%、疾患制御率は90.5%(CR:1例2.4%、PR:25例59.5%、SD:12例28.6%)であった。
・追跡期間中央値8.0ヵ月の推定PFS中央値は14.0ヵ月、全生存期間(OS)は未到達であった。
・治療関連有害事象(TEAE)の発現は100%(42例中42例)であったが、多くはGrade1/2であった。Grade3以上のTEAE発現は 64.3%(薬物関連は52.4%)で、頻度の高いものは好中球数減少、貧血などであった。間質性肺疾患(ILD)の発現は5例(11.9%)で、すべてGrade2であった。

 この中間解析において、T-DXdは、重度の治療歴のあるHER2変異NSCLC患者に対して、高いORRと持続的効果を示す有望な臨床効果を示した。安全性プロファイルは、既報のものとおおむね一致していたが、発表者は、ILDについては重要なリスクであり、注意深い観察と管理が必要だとしている。

(ケアネット 細田 雅之)

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