ALK陽性肺がんの脳転移例に特化したセリチニブの臨床効果(ASCEND-7)/ESMO2019

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 脳転移は、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(ALK陽性NSCLC)の30~50%に発生し、予後も不良である。第2世代ALK-TKIセリチニブは、ALK陽性NSCLCの脳転移病変に対する抗腫瘍活性が報告されている。そのような中、脳転移のあるALK陽性NSCLCのみを対象に、セリチニブの抗腫瘍活性を評価する第II相多施設オープンラベル試験ASCEND-7が行われ、その結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)において、ワシントン大学のLaura QM Chaw氏が発表した。

・対象:進行性の脳and/or髄膜転移を有するALK融合遺伝子陽性NSCLC(PS0~2)
・試験群:
 ARM1:脳照射あり、ALKi投与あり(n=42)
 ARM2:脳照射なし、ALKi投与あり(n=40)
 ARM3:脳照射あり、ALKi投与なし(n=12)
 ARM4:脳照射なし、ALKi投与なし(n=44)
 ARM5:髄膜がん腫症(n=18)

 各群ともセリチニブ750mg/日(空腹時服用)を28日ごとに投与された。当発表では、ARM1~4の解析について報告された。

・評価項目:
[主要評価項目]全身の奏効率(ORR)
[副次評価項目]治験担当医評価による全身のDCR;脳内/脳外のORR、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DOR);全身のDOR、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、薬物動態(PK)など

 主な結果は以下のとおり。

・全身ORRはARM1 35.7%、ARM2 30.0%、ARM3 50.0%、ARM4 59.1%であった。
・全身DCRはARM1 66.7%、ARM2 82.5%、ARM3 66.7%、ARM4 70.5%であった。
・全身DORはARM1 10.8ヵ月、ARM2 12.8ヵ月、ARM3 NE、ARM4 9.2ヵ月であった。
・全身PFSはARM1 7.2ヵ月、ARM2 5.6ヵ月、ARM3 NE、ARM4 7.9ヵ月であった。
・脳内ORRはARM1 39.3%、ARM2 27.6%、ARM3 28.6%、ARM4 51.5%であった。
・脳内DCRはARM1 75.0%、ARM2 82.8%、ARM3 85.7%、ARM4 75.8%であった。
・有害事象は従来の報告と同様であった。

 セリチニブは、脳転移に対する、高く持続的な効果を、すべてのARMで示したが、その効果はとくにALKi未投与患者でより高かった。

 Discussantであるオランダ・Maastricht UMCのLizza Hendriks氏は、当試験のセリチニブの用法は750mg空腹時投与だが、薬物動態から考え、現在の用法である450mg食後投与でも同様の脳転移への結果が期待できるであろうと述べた。

(ケアネット 細田 雅之)

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