脳梗塞リスク有するAF患者への経皮的植込み型頸動脈フィルターの有用性は?【Dr.河田pick up】

提供元:
ケアネット

脳梗塞リスク有するAF患者への経皮的植込み型頸動脈フィルターの有用性は?【Dr.河田pick up】のイメージ

 脳梗塞リスクが高いものの、経口抗凝固薬が適さない心房細動(AF)患者に対しては、異なった脳梗塞予防の戦略が必要となる。両側の頸動脈に直接植込むことができる、新規のコイル型永久フィルターは、径が1.4mm以上の塞栓を捕捉するようにデザインされている。

 この論文は、Icahn School of Medicine at Mount Sinai(米、ニューヨーク)のVivek Reddy氏とHomolka Hospital(チェコ、プラハ)のPetr Neuzil氏がJACC誌オンライン版5月3日号に発表したものである。米国では新規のデバイスに対するFDAの審査が厳しく、治験に時間がかかる。そのため、不整脈分野においては最近、Reddy氏が新しいデバイスの試験をチェコで行うことが多く、このデバイスについても同様に、チェコをはじめとする欧州で治験が行われている。

初のヒト臨床試験における頸動脈フィルター植込み
 これは多施設非無作為化試験で、頸動脈フィルターに関する初めてのヒト臨床試験である。両側の頸動脈にフィルターを安全に植込み、使用できるかを評価することを目的に実施された。対象は、心房細動を有し、CHA2DS2-VAScスコアが2以上、経口抗凝固薬が内服できず、総頸動脈サイズが4.8~9.8mm、30%を超える動脈狭窄が存在しない患者。超音波ガイド下で直接経皮的に頸動脈の穿刺を24ゲージの針で行うと、電動式のユニットがフィルターを押し出して頸動脈で広がるようになっている。患者は、アスピリンとクロピドグレルを3ヵ月内服し、その後はアスピリンを継続した。主要評価項目は、(1)手技の成功(両側の頸動脈に適切にフィルターが留置されること)、(2)30日間の主要有害事象、死亡、脳梗塞、出血、フィルターの移動、頸動脈の血栓や狭窄の発生の有無。頸動脈エコーは、手技後、退院前、1週間後、1、3、6、12ヵ月後に実施された。

脳梗塞の発症なし、4例で血栓捕捉
 試験には、4施設から25例が参加した。平均年齢は71±9歳、CHA2DS2-VASc スコアは4.4±1.0、参加者の48%に塞栓の既往があった。手技の成功率は92%(25例中23例)で、1例は片側の留置のみに終わった。デバイスや手技に関連した重大事象は認められなかった。穿刺部位における軽度の血腫が5例(20%)に認められた。平均6ヵ月のフォローアップ後、脳塞栓の発症は認められなかった。4例で、フィルターでの血栓捕捉が認められたが、それに伴う症状は認められなかった。全例において、ヘパリンの皮下投与により塞栓は溶解した。1例で、2度の非総頚動脈領域における軽度の脳梗塞が認められた。

 筆者らは、脳梗塞予防のための植込み型頸動脈フィルターは、技術的に可能で、安全に実施できると結論付けている。

(Oregon Heart and Vascular Institute 河田 宏)

■関連記事
発作性心房細動に対する第2世代クライオバルーンの長期成績【Dr.河田pick up】
心房細動患者への抗凝固薬とNSAID併用で大出血リスク上昇【Dr.河田pick up】
スマートウオッチによる自動心房細動検知の精度は?【Dr.河田pick up】
心房細動、サイナスになっても 脳梗塞リスク 高いまま/BMJ

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ