認知症診断を告知すべきタイミングに関する調査 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/04 最近の認知症関連の分野において、早期診断の議論は、タイムリーな診断を行う方向へ向かっている。タイムリーな告知には、個々の希望や状況を考慮する必要がある。告知に関して患者、その家族、医療従事者の見解が異なる場合、告知がタイムリーであるかの判断は、とくに複雑となる可能性がある。オーストラリア・ニューカッスル大学のRochelle Watson氏らは、認知症診断がどのタイミングで告知されるべきかについて、告知される側の希望に関する検討を行った。BMC Health Services Research誌2018年8月6日号の報告。 オーストラリアの病院で、外来診療に通院中の英語を話す成人を対象に、横断調査を実施した。対象者は、病院の待合室で調査アシスタントより、ウェブに接続されたiPadによる調査への協力を求められた。調査には、社会人口統計および認知症の経験歴を審査する質問が含まれていた。2つのシナリオを用いて、告知のタイミングについて希望を調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象者446例のうち92%は、認知症の診断はできるだけ早い告知が望ましいと考えていた。 ・告知の希望には、社会人口統計または認知症の経験歴との関連は認められなかった。 ・また、対象者の多く(88%)は、配偶者やパートナーが認知症と診断された場合においても、できるだけ早い告知を望んでいた。 ・告知の希望について、自分が診断された場合と配偶者が診断された場合との間に、強い相関が認められた(0.91)。 著者らは「本知見は、認知症診断の告知への希望について指針を提供しており、タイムリーな診断の潜在的な障壁を克服するため役立つであろう。認知症の罹患率が増加する今後、できるだけ早く診断してほしいとの希望を考慮することは、保健システムにとって重要な意味を持つ」としている。 ■関連記事 どのくらい前から認知症発症は予測可能か 高齢ドライバーの認知症診断と自動車運転事故リスク 認知症にならず長生きするために (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Watson R, et al. BMC Health Serv Res. 2018;18:612. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 心理教育的介入で、地域社会の精神保健ケア構築は可能か/Lancet(2025/09/08) システム統合型の転倒予防プログラムは高齢者に有効か/JAMA(2025/09/08) 慢性咳嗽のカギ「咳過敏症」、改訂ガイドラインで注目/杏林(2025/09/08) 男女間におけるレビー小体とアルツハイマーにおける認知機能低下の違い(2025/09/08) HR+/HER2+転移乳がんへのパルボシクリブ+トラスツズマブのOS(PATRICIA)/ESMO Open(2025/09/08) 全年齢で130/80mmHg未満を目標に、『高血圧管理・治療ガイドライン2025』発刊/日本高血圧学会(2025/09/08) 中年期の高コルチゾール値は閉経後のアルツハイマー病発症リスクと関連(2025/09/08) [ あわせて読みたい ] 買わないほうが“御法度”な医学書【Dr.倉原の“俺の本棚”】第8回(2018/08/15) 【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(4)(2018/08/15) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3(2018/08/07) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.2(2018/08/07) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1(2018/07/25) ナースの怒りを知る本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第7回(2018/07/17)