第7回 ナースの怒りを知る本【Dr.倉原の“俺の本棚”】

  • 公開日:2018/07/17
企画・制作ケアネット

ほかのドクターがどんな本を読んでいるのか、気になりませんか?CareNet.com “おどろき”医学論文が好評の呼吸器内科医 倉原優氏が、自身の本棚から「これは!」とウナる本を毎月1冊ピックアップ。思わず読みたくなる“医書”を紹介します。

※紹介する書籍は倉原氏個人の選書です。ケアネットが推薦するものではありません。

【第7回】ナースの怒りを知る本

一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会公認のファシリテーターの皆さんが執筆した本です。すいません、この協会、私は初耳でした。アンガーマネジメントとは、読んで字のごとく、怒りを制御することです。私はどちらかといえば気が長いほうなので怒り耐性は強いつもりですが、医師の中には、すぐに怒る「キレ医者」がちらほらいるはず。若手医師に多いだけでなく、「ゆとり世代ってのは~」「最近の若いヤツは~」と言っている中堅以上にもキレ医者は多い。

『ナースのイラッ! ムカッ! ブチッ! の解消法59例―ストレスからの「護心術」』

一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会/編集 安藤 俊介/監修・執筆 同協会ファシリテーター24名/執筆. 日総研出版. 2013.

アンガーマネジメントを学ぶことで、自分自身の怒りをコントロールできるようになるそうで、これを医療現場に適用した本はきわめて珍しい。ナース向けの本ですが、医師もぜひ読んでみて下さい。面白いですよ。

本書の中には「とにかく一言多い患者さんに対して」「医師に患者さんの目の前で叱られたとき」…などの対処法が記載されています。

たとえば、新人ナースに患者さんへの言葉遣いを指導したところ、「てへぺろ♪」みたいな感じでかわされて、イラっとしたときどうすればよいのか。「グラウンディング」が有効です。なんですか、グラウンディングって。マウンティングするワケじゃないよね。

グラウンディングというのは、カーっと怒りが爆発しそうになったとき、周りのものに注意してまず意識をそらす技術です。壁に書かれた病院の理念の文字を見て、「誰があのヘタクソな字を書いたんだろう」「なぜこの理念なんだろう」などのように、一度意識をそらすテクニックです。そうして、一呼吸置いた後に、焦点を絞って注意する。看護師の言葉遣いが悪い点を注意するのか、指導看護師の注意を受けている態度が悪いことを注意するのか、絞るのです。

この本には「医師からぶっきらぼうに対応されたとき」という医師必見の項目があります。対処法は至極もっともなもので、ぜひ中身を読んでいただきたいのですが、ナースに対して普段ぶっきらぼうに対応している医師は注意してくださいね。この本だけでなく、いろいろな看護雑誌で「医師のこんな言動にイラっとする」みたいな特集が組まれることもありますから…。あ、私は声が小さいので誤解されやすいですが、決してぶっきらぼうなわけではありませんよ!(誰に対する弁明だ)

ぜひとも、医師のアンガーマネジメントの本も出版していただきたいところです。

『ナースのイラッ! ムカッ! ブチッ! の解消法59例―ストレスからの「護心術」』

一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会/編集 安藤 俊介/監修・執筆
同協会ファシリテーター24名/執筆.
出版社名
日総研出版
定価
本体2,286円+税
サイズ
B6判
刊行年
2013年

倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏近畿中央呼吸器センター

[略歴]

2006年滋賀医大卒業。洛和会音羽病院を経て08年から現職。

自身のブログ「呼吸器内科医」では医学論文の和訳や医療エッセーを執筆。

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