日本人双極性うつ病患者に対するクエチアピン徐放性製剤の多施設二重盲検ランダム化比較試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/08/30 クエチアピンフマル酸塩は、さまざまな精神疾患に適応を有する非定型抗精神病薬であるが、日本人双極性うつ病患者に対する研究は行われていなかった。CNS薬理研究所の村崎 光邦氏らは、日本人双極性うつ病患者に対するクエチアピン徐放性製剤(XR)の有効性および安全性を評価するため、検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2018年8月1日号の報告。 双極I型障害または双極II型障害を有する日本人成人患者431例を対象とした多施設二重盲検ランダム化プラセボ対照固定用量試験を実施した。効果判定には、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)総スコアのベースラインからの平均変化量を分析した。副次的エンドポイントは、MADRSの治療反応率および寛解率、17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D17)、臨床的全般改善度-双極性障害(CGI-BP)スコアとした。安全性は、有害事象および臨床評価をモニタリングすることで評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・クエチアピンXR300mg/日単独療法群では、プラセボ群と比較し、8週間後のMADRS総スコアの統計学的に有意な大幅減少が認められた(-12.6 vs.-10.1、p=0.034)。 ・MADRSの治療反応率(44.1% vs.35.6%)、寛解率(38.0% vs.26.6%)ならびにHAM-D17スコア、CGI-BPスコアにおいても、プラセボ群と比較し、改善が認められた。 ・サブグループ解析において、プラセボ群と比較したMADRS総スコアの調整平均変化量は、双極I型障害患者で-2.3、双極II型障害患者で-2.1であった。 ・有害事象の発生は、クエチアピンXR300mg/日群149例(83.2%)、プラセボ群81例(45.8%)であった。 ・最も一般的な有害事象は、眠気および口渇であり、以前に報告された安全性プロファイルと同様であった。 著者らは「クエチアピンXRによる1日1回の単独療法は、日本人双極性うつ病患者に対し効果的かつ忍容性に優れた治療法である」としている。 ■関連記事 急性双極性うつ病に対する非定型抗精神病薬の信頼性は 双極性うつ病に対するドパミン作動薬の効果は 双極性うつ病に対する抗うつ薬補助療法による再入院率に関するコホート研究 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Murasaki M, et al. Psychopharmacology (Berl). 2018 Aug 1. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 双極性うつ病に対する抗うつ薬使用と躁転リスク 医療一般 (2025/07/04) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] EGFR-TKI後のNSCLC、ivonescimabがOSを改善/JAMA(2026/07/08) タモキシフェン治療中の乳がん患者のホットフラッシュ、ベンラファキシンが有望(HOFLA-V試験)/日本乳癌学会(2026/07/08) 日本人片頭痛患者に対する3年間の抗CGRP抗体継続治療、その有用性は(2026/07/08) 移植適応のある未治療多発性骨髄腫へのテクリスタマブベースの導入療法~第II相試験(MajesTEC-5)(2026/07/08) 死亡リスクが低下する適切な筋トレ時間は?(2026/07/08) 脊髄刺激療法で脳卒中後の上肢機能改善を確認(2026/07/08) 幼少期の逆境体験が多いほど肥満リスク上昇、支える大人が保護因子の可能性(2026/07/08) 症状モニタリングアプリが進行がん患者のQOL維持に有効(2026/07/08) [ あわせて読みたい ] 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) 合格直結!テスレクDigest(2025/07/18) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24) スマートに進める治験/臨床研究~臨床研究中核病院に学ぶ~(2025/10/28)