EGFR変異陽性NSCLCへのエルロチニブ、ベバシズマブ併用でOS 4年(JO25567)/ASCO2018 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/06/19 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるエルロチニブ+ベバシズマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが、第II相試験JO25567のこれまでの解析により確認されている。同試験の生存追跡調査結果を、国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科の山本 昇氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 JO25567は、未治療のStage IIIB~IVまたは再発の非扁平上皮NSCLCで、活性型EGFR変異(exon19delまたはexon21 L858R)を有し、脳転移がなく全身状態良好な患者を対象とした、オープンラベル無作為化試験。患者はエルロチニブ(150mg/日)+ベバシズマブ(15mg/kgを3週間ごと)併用群もしくはエルロチニブ(150mg/日)単剤群に無作為に割りつけられた。 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、QOL、安全性であった。 主な結果は以下のとおり。 ・JO25567には152例(併用群:75例、単剤群:77例)が登録され、そのうち生存追跡調査開始時点で52例が死亡し、25例が追跡不能であった(OSの最終解析にはこれらの患者のデータも含まれる)。 ・2017年10月31日のデータカットオフ時(追跡期間中央値は34.7ヵ月)におけるOS中央値は、併用群で47.0ヵ月、単剤群で47.4ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.81、95%信頼区間[CI]:0.53~1.23、p = 0.3267)。 ・OSイベントは併用群40例(53.3%)、単剤群49例(63.6%)で認められた。 ・5年生存率は併用群41%、単剤群で35%であった。 ・EGFR変異の種類別にみると、exon19delでは併用群53.2ヵ月、単剤群50.3ヵ月(HR :0.79、95%CI:0.44~1.44)、exon21 L858Rでは併用群43.6ヵ月、単剤群42.1ヵ月(HR 0.83、95%CI:0.46~1.49)と有意差はなかった。 ・併用群で64例(85.3%)、単剤群で65例(84.4%)が試験後に2次治療を受けた。 なお、本解析のサンプルサイズは、エルロチニブとベバシズマブ併用のOSに対する有効性を評価するには不足しているため、進行中の第III相試験の結果が待たれる。 ■参考 ASCO2018 Abstract JO25567試験 Seto T, et .al Lancet Oncol. 2014;15: 1236-1244. ※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら (ケアネット 遊佐 なつみ) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 血友病B、AAVベクターfidanacogene elaparvovecが有効/NEJM(2024/10/11) 非造影CT評価の広範囲脳梗塞、血栓除去術併用は優越性示せず/JAMA(2024/10/11) 日本人の“尿ナトカリ比”目標値が決定~ステートメント公表/日本高血圧学会(2024/10/11) 男性乳がんの病理学的特徴と生存期間(2024/10/11) 日本におけるうつ病に対するベンゾジアゼピン長期使用の分析(2024/10/11) 金融詐欺に遭うのはアルツハイマー病の初期兆候?(2024/10/11) 「声の変化」からCOPD増悪を予測(2024/10/11) DPP-4iとBG薬で糖尿病性合併症発生率に差はない――4年間の後方視的解析(2024/10/11) [ あわせて読みたい ] 肺がん治療、患者と医療者の“スキマ”とは? 第15回【肺がんインタビュー】(2018/05/09) Dr.長尾の胸部X線クイズ 初級編 (2018/05/07) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3(2018/04/07) 志水太郎の診断戦略エッセンス (2018/03/07) 私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第2回(2018/02/13) Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)(2018/02/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07)