EGFR変異肺がん1次治療、ゲフィチニブと化療併用でPFS、OSともに延長(NEJ009)/ASCO2018

提供元:ケアネット

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公開日:2018/06/14

 

 EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療においては、EGFR-TKIと化学療法を十分に使用することで、さらなる全生存期間(OS)の改善が期待できると考えられる。NEJ005試験では、ゲフィチニブとカルボプラチン+ペメトレキセドの併用が有効性を示した。とくに、両者の逐次使用に比べ、同時使用は、30.7ヵ月に対し、41.9ヵ月とOSを改善した。

 未治療のEGFR変異陽性Stage IIIBおよびIV非扁平上皮NSCLCにおいて、ゲフィチニブと化学療法の併用とゲフィチニブ単剤治療を比較した第III相無作為化比較試験NEJ009の結果が、仙台厚生病院 中村 敦氏により、米国・シカゴにて開催された米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表された。

・対象患者:未治療のEGFR変異陽性Stage IIIBおよびIVの非扁平上皮NSCLC
・試験薬群:ゲフィチニブ+化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセド)→ゲフィチニブ+ペメトレキセド
・対照群:ゲフィチニブ→プラチナベース化学療法
・評価項目:複合主要評価項目はPFS1(初回治療によるPDまで)、PFS2(後治療による2度目のPDまで)、OS。副次評価項目は奏効率(ORR)、安全性、QOL。PFS2解析は、ゲフィチニブ単剤群のPFS2とゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群のPFS1で比較。

 主な結果は以下のとおり。

・登録患者は、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群170例とゲフィチニブ単剤群172例に無作為に割り付けられた。
・PFS1中央値は、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群20.9ヵ月、ゲフィチニブ単剤群11.2ヵ月であった(HR:0.494、p<0.001)。
・PFS2は、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群20.9ヵ月、ゲフィチニブ単剤(→プラチナベース化学療法後治療)群20.7ヵ月であった(HR:0.966、p<0.774)。
・OS中央値は、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群52.2ヵ月、ゲフィチニブ単剤群38.8ヵ月であった(HR:0.685、p=0.013)。
・PD1後の生存期間はゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群19.3ヵ月、ゲフィチニブ単剤群23.0ヵ月と、ゲフィチニブ単剤群ではプラチナベース化学療法を受けているにもかかわらず同等であった(HR:1.037、p=0.812)。
・全有害事象発現率は、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド群95.9%、ゲフィチニブ単剤群98.3%。好中球減少、貧血、血小板減少といった血液毒性は併用群で多くみられた。

■参考
ASCO2018 Abstract

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(ケアネット 細田 雅之)