現代女性は低体温 基礎体温36℃未満が4割近くも~日本抗加齢医学会総会

現代女性の平均基礎体温は36.5℃で、36℃未満の女性が38%もいる。こんな研究結果が5月25日~27日大阪で開催された日本抗加齢医学会で発表された。産科婦人科舘出張 佐藤病院院長の佐藤雄一氏、順天堂大学医学部小児科学講座らの共同研究グループが民間の3万2000人のビッグデータを分析して明らかにした。
分析は、株式会社エムティーアイが運営する月経管理アプリ「ルナルナ」利用者のうちデータ利用の同意が得られた匿名ユーザー3万2,735人、延べ119万5,800日のデータで行われた。年齢層は10代後半から40代を中心に幅広く分布している。
その結果、全対象者の全期間の高温期と低温期のすべての体温を平均した平均基礎体温は、36.53±0.22℃。また、データ解析から日本人女性の平均的な低温期の基礎体温は36.197℃、高温期では36.763℃と推計した。
平均基礎体温を0.5℃刻みで見ると、35.0℃未満0.1%、35.0℃以上35.5℃未満1.9%、35.5℃以上36.0℃未満36.8%、36.0℃以上36.5℃未満60.2%、36.5℃以上37.0℃未満0.9%、37℃以上0.1%。平均基礎体温が36℃に満たない女性が38.8%にも上った。
低温期の基礎体温を、過去(1972年)の報告と条件を整えて比較したところ、0.32度低くなっていた。さらに、低温期の平均基礎体温について、低値群(36.1℃未満)と高値群(36.1℃以上)に分け、その特徴を調べたところ、低値群で、タンパク質摂取量、運動実施率が有意に低く、朝食欠食率、月経異常の割合は有意に高かった。
佐藤氏は「現代女性はさまざまな理由でかつてよりも低体温になっていると考えられる。今回の分析で、低体温者には月経異常や栄養不良が多い傾向がわかったため、女性ホルモンや女性特有疾患との関連性を検討する必要がある」としている。
(ケアネット 風間 浩)
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