日本人肺がんにおける免疫関連有害事象とニボルマブの効果/JAMA Oncol

メラノーマにおける免疫関連有害事象(irAE)とPD-1阻害薬の有効性の相関については報告されてるが、非小細胞肺がん(NSCLC)においては明らかになっていない。この研究は、近畿大学を含む複数の機関の診療録データを基に、再発・進行NSCLCにおける、ニボルマブの有効性とirAEの有無の関係を評価した多施設後ろ向き観察研究である。リードタイムバイアスを最小限にするためにランドマーク解析を用いて、関連性を検討している。近畿大学 原谷浩司氏らにより、JAMA Oncology誌2018年Vol.4で報告された。
・2015年12月~2016年8月に試験施設において2次治療以降でニボルマブの単剤治療を受けた進行・再発NSCLC患者に対し、ランドマーク日(6週間)までのirAE発症の有無で治療効果を比較した。
・主要評価項目は6週間後の無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は全生存期間(OS)。
主な結果は以下のとおり。
・105例の患者が解析対象となり、irAEあり群は44例、irAEなしは61例であった。
・6週間のランドマーク解析によるPFS中央値は、irAEなし群の4.8ヵ月に比べ、あり群では9.2ヵ月で有意に良好であった。
・多変量解析の結果においても、PFS、OS共に、irAEあり群が有意に良好であった。
CareNet.comでは、筆頭著者である原谷浩司氏による本研究の解説を掲載している。
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筆頭著者原谷浩司氏による本研究の解説「irAEと免疫チェックポイント阻害薬の効果:日本人患者のランドマーク解析」
(ケアネット 細田 雅之)
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