夜間血圧の極端な低下は、緑内障の有意なリスク因子

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/31

 

 緑内障性視神経症には、夜間血圧が低いということよりもextreme dipping(昼間と比較して夜間血圧が>20%低下)が影響していることが、ベネズエラ・University of Zulia-MaracaiboのJesus D. Melgarejo氏らによる同国住民を対象とした横断研究で示された。結果を踏まえて著者は、「緑内障の高リスク者における夜間血圧の著明な低下を考慮した、さらなる研究が必要である」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年1月5日号掲載の報告。

 研究グループは、ヒスパニックにおける、緑内障による視神経障害のリスク増加と関連する夜間血圧パラメータを調べる目的で、Maracaibo Aging Study(MAS)に登録された患者について解析した。

 対象は、40歳以上で、光干渉断層撮影(OCT)、視野検査、24時間血圧および外来血圧の測定値があり、眼圧<22mmHgの93例(平均年齢61.9歳、女性87.1%)であった。

 主要評価項目は、視神経障害および視野異常に基づく緑内障性視神経症(GON)で、GONと血圧パラメータとの関連について一般化推定方程式(GEE)を用い、単変量および多変量ロジスティック回帰分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・評価対象185眼のうち、50眼(27.0%)でGONを認めた。
・GON有病者は、非有病者と比較して24時間および夜間の拡張期血圧が有意に低かった。
・しかし、多変量GEEモデルによる解析では、24時間、昼間または夜間の平均収縮期血圧および拡張期血圧のいずれも、緑内障性障害と関連がないことが示された。
・一方、昼間と比較した夜間の収縮期血圧と拡張期血圧の>20%の低下(extreme dipper)が、緑内障性障害の有意なリスク因子であることが認められた(オッズ比はそれぞれ19.78、5.55)。

(ケアネット)