インフルエンザの患者数が過去最多に

提供元:ケアネット

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公開日:2018/01/29

 

 2018年1月26日、厚生労働省は平成30年第3週(1月15日~21日)までのインフルエンザの発生状況を発表した。

 これによると定点当たり報告数は51.93(患者報告数25万6,833)となり、前週の定点当たり報告数26.44よりも約2倍近く増加した。これは、1999年に統計を取り始めて以来、最多。そのほか、定点数の多さを都道府県別の上位3地域でみると鹿児島県(86.53)、宮崎県(84.97)、福岡県(83.99)の順で多く、全47都道府県で前週の報告数よりも増加がみられた。

 定点医療機関ならびにそれ以外の全国の医療機関でこの1週間に受診した患者数を推計すると約283万人(95%信頼区間:266~300万人)となり、前週の推計値(約171万人)よりも約110万人増加した。年齢別では、5~9歳が約59万人、10代が約40万人、40代が約29万人と多く、2017年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約837万人となった。

■入院は年少者と高齢者に多く、検出ウイルスは2種類が拮抗
 基幹定点からのインフルエンザ患者の入院報告数は2,370例であり、前週(1,742例)から約600例増加したほか、年代別でみると80歳以上(835例)、1~9歳(478例)、70代(416例)の順で多く、高齢者の入院が目立った。

 国内のインフルエンザウイルスの検出状況では、直近5週間(2017年第51週〜2018年第3週)でAH1pdm09(2009年に流行したウイルス)、B型の検出割合がほぼ同程度で、次いでAH3型の順だった。

 厚生労働省では、医療機関におかれても、日常の診療に加え、咳エチケットや手洗いなどのインフルエンザの予防対策の周知にも、改めてご協力をお願いするとしている。
 詳しくは、下記のサイトを参照されたい。


■参考
 厚生労働省インフルエンザに関する報道発表資料(pdf)
 厚生労働省インフルエンザ(総合ページ)

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(ケアネット 稲川 進)