5歳以降の熱性けいれんとその後のてんかんリスク 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/12/15 熱性けいれん(FS:febrile seizure)は、乳幼児期に起こる発熱に伴う発作と定義されているが、ほぼすべての年齢において観察される。FS後の非誘発性のけいれん発作リスクは、明確に定義されている。しかし、5歳以降でのFSの発症または持続に関するデータは、限られている。トルコ・Izmir Katip Celebi UniversityのPinar Gencpinar氏らは、5歳以降でFSを発症した患者の評価を行った。Seizure誌オンライン版2017年11月6日号の報告。 2010~14年にFS患者すべてをプロスペクティブに登録した。患者背景、臨床的特徴、放射線画像、脳波(EEG)、精神運動発達テストの結果、患者の治療データを収集した。患者は、5歳以降で初めてFSを発症した患者と、5歳以降もFSが持続した患者の2群に分類した。データの分析には、フィッシャーの正確確率検定とピアソンのカイ二乗検定を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・64例が登録され、そのうち12例(18.8%)で無熱性けいれんが認められた。 ・9例(14%)は、フォローアップ期間中にてんかんと診断された。 ・その後のてんかん発症は、性別、平均年齢、病歴、てんかんの家族歴、非熱性けいれんの有無、発作タイプ、FSタイプ、発作の持続期間、発作症候学、ピークの発熱、脳波、MRI所見とは無関係であった。 ・その後の無熱性けいれんまたはてんかん発症に関して、群間に統計学的な差は認められなかった(p>0.5)。 著者らは「5歳以降のFS患者では、フォローアップが重要である。これらの発作は、一般的に良性であるが、再発しやすく、てんかん発症リスクを高める傾向がある。このような患者におけるリスク因子やてんかん発症率を明らかにするために、より大きなコホートを用いた研究が必要である」としている。 ■関連記事 てんかんとADHD合併の小児および青年における薬物療法の課題 小児攻撃性に対する抗精神病薬の効果~メタ解析 ADHD発症しやすい家庭の傾向 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gencpinar P, et al. Seizure. 2017 Nov 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ(2025/10/24) 腹部大手術時の周術期血圧管理、個別化vs.通常/JAMA(2025/10/24) ALK陽性進行NSCLCへのアレクチニブ、OS中央値81.1ヵ月(ALEX)/ESMO2025(2025/10/24) 下剤のルビプロストン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省(2025/10/24) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がん1次治療、Dato-DXdがPFSとOSを延長(TROPION-Breast02)/ESMO2025(2025/10/24) 結腸がん術後ctDNAによるde-escalation、リスク低減も非劣性は示されず(DYNAMIC-III)/ESMO2025(2025/10/24) 寝たきり原因第1位「脳卒中」、最新治療アクセス改善と患者支援の最前線/日本脳卒中学会・日本脳卒中医療ケア従事者連合・日本脳卒中協会(2025/10/24) 父親の厳しい子育てが子供のメンタルヘルスに影響(2025/10/24) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)