ランジオロールの心臓手術後AF抑制作用

ランジオロールは、心臓手術後1週間以内の心房細動(AF)発症を抑制することが、高知医科大学の田村 貴彦氏らによる研究で明らかになった。また、ランジオロール非投与群と比較して、院内死亡率および合併症発症率に有意な差は認められなかった。Journal of Clinical Anesthesia誌2017年11月号(オンライン版2017年7月21日号)の報告。
AFは、心臓手術後の死亡率と関連している。そして、術後AFの抑制にはランジオロールが有用であるという研究結果がいくつか報告されている。そのため、著者らは、低用量のランジオロールが有効性と安全性のバランス面で有用であるかどうかを調査した。
PubMed、Cochrane library、医中誌WEBで、心臓手術後におけるランジオロールのAF抑制作用を検討したランダム化比較試験を検索した。571例の患者を対象とした6件のランダム化比較試験を抽出し、メタアナリシスを実施した。主要評価項目は術後AFの発生率、副次的評価項目は院内死亡率および合併症発症率とした。
主な結果は以下のとおり。
・手術後1週間以内のAF発生率は、ランジオロール投与群において、非投与群より有意に低かった(オッズ比 0.27、95%CI 0.18~0.42、p<0.001)。
・6件の研究のうち3件で院内死亡率および合併症発症率について検討されたが、ランジオロール投与群および非投与群の間に有意な差は認められなかった。
院内死亡率:0.7% vs.3.0%、オッズ比 0.45、95%CI 0.07~2.74、p=0.39
合併症発症率:4.5% vs.9.7%、オッズ比 0.45、95%CI 0.16~1.23、p=0.12
(ケアネット 武田 真貴子)
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