心血管イベント抑制薬、肺がん発症も抑制/ESC2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/09/07 IL-1βは炎症性アテローム性動脈硬化症の継続的な進行に関与することで知られているが、がんの微小環境においても、その増殖や転移に関与しているという仮説がある。そのような中、IL-1β阻害薬canakinumab(ACZ885)が、炎症を軽減することによって心血管疾患および肺がんリスクのリスクを低下させるという、最新の試験結果が2017年8月27日、ESC(欧州心臓病学会)2017で発表された。 これは、炎症性アテローム性動脈硬化症患者における、canakinumabの第III相試験CANTOS(Canakinumab Anti-inflammatory Thrombosis Outcomes Study)の探索的研究の結果である。CANTOSは、心筋梗塞の既往があり、がんの診断歴がなく、炎症マーカー高感度であるC反応性蛋白(hsCRP)が2mg/L以上のアテローム性動脈硬化症患者1万61例において、canakinumabによる心血管イベント抑制を評価した無作為比較試験。患者は、プラセボまたは3用量(50mg、150mg、300mg)のcanakinumabに無作為に割り付けられ、探索的研究では、がんの発症について追跡調査された。 3.7年の追跡期間中、canakinumabはプラセボと比較して、hsCRPの濃度を26~41%、IL-6の濃度を25~43%、用量依存的に減少した(いずれもp<0.0001)。全がん発症率はcanakinumab群とプラセボ群で有意差はなかった(p=0.31)。全がん死亡率は、canakinumab群でプラセボ群よりも有意に低かった(p=0.0007)。用量別にみると300mg群でプラセボ群に比べ有意であった(HR:0.49、95%CI:0.31~0.75、p=0.0009)。また、肺がん発症率は、プラセボ群に対し300mg群(HR:0.33、95%CI:0.18~0.59、p<0.0001)および150mg群(HR:0.61、95%CI:0.39~0.97、p=0.034)で有意な低下が見られた。肺がん死亡率は、プラセボ群に対し300mg群で有意に低下した(HR:0.23、95%CI:0.10~0.54、p=0.0002)。 ノバルティスは、canakinumabがIL-1βを標的とするがん免疫療法としての可能性を示したとし、規制当局と肺がんに対する仮説についての議論を行い、追加の第III相試験の実施を検討する予定。この結果は発表と同時にLancet誌にも掲載されている。 ■参考 ECSプレスリリース ノバルティス株式会社メディアリリース Ridker, PM, et al.Lancet. 2017 Aug 25. [Epub ahead of print] CANTOS(Clinical Trials.gov) (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] フィネレノンが原因疾患や糖尿病の有無を問わずCKD患者の腎・心リスクを低減/Lancet(2026/06/25) 飲食制限のない経口GLP-1薬elecoglipron、2型DM患者のHbA1cを有意に改善/Lancet(2026/06/25) セマグルチドがMASH適応を取得、国内初の治療薬に/ノボ(2026/06/25) 多発性骨髄腫治療薬イサツキシマブ、皮下注射製剤の承認取得/サノフィ(2026/06/25) パーキンソン病へのiPS細胞由来「ラグネプロセル」薬価収載、最適使用推進ガイドライン発出(2026/06/25) 日本の内科医と精神科医でアルツハイマー病に伴うアジテーションに対する治療方針が異なっている?(2026/06/25) 病院機能集約化の賛否は年代・病床数・診療科で異なる?/医師1,000人アンケート(2026/06/25) 前立腺がんに対する短期集中的な放射線治療は安全に実施可能(2026/06/25) [ あわせて読みたい ] 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07) 肺がん特集まとめインデックス(2017/06/20) 肺がん特集(2017/06/20) Dr.宮本のママもナットク!小児科コモンプラクティス (2017/04/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3 (2017/04/07)