抗うつ薬投与下での運転、その安全性は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/08/11 ドイツ・ルートヴィヒマクシミリアン大学のAlexander Brunnauer氏らは、抗うつ薬の自動車運転パフォーマンスへの影響に関する実験的および臨床的研究をレビューした。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2017年7月17日号の報告。 PubMedデータベースより、1980~2016年に発表された研究をシステマティックに検索を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・本レビューには、28研究が抽出されたが、抗うつ薬投与患者の自動車運転パフォーマンスを調査した研究は5件のみであった。 ・ミアンセリンを除く大部分の三環系、四環系抗うつ薬は、自動車運転パフォーマンスに重大な悪影響を及ぼし、亜慢性期後の使用で減弱した。 ・SSRIおよびベンラファキシンやミルナシプランなどのSNRIは、自動車運転パフォーマンスに影響を及ぼさなかった。 ・トラゾドンは、用量依存的に急性の影響を有すると考えられる。 ・ミルタザピンの急性期使用は、夜間投与を行った場合に影響が認められたが、低用量または反復投与後の場合、健常被験者においては認められなかった。 ・アルコールによる付加的効果は、鎮静系の抗うつ薬において最も顕著であった。 ・多くの患者において、自動車運転技術に対する新規抗うつ薬治療のメリットが認められると考えられる。 著者らは「自動車運転パフォーマンスに関して、どの抗うつ薬治療が患者にとって最も有用かという課題を解明するためには、より多くの患者による研究が必要である」としている。 ■関連記事 自動車事故リスク、うつ病や抗うつ薬ではどうか 睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか 車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Brunnauer A, et al. Pharmacopsychiatry. 2017 Jul 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 抗うつ薬の適応外処方、普及率はどの程度 医療一般(2017/03/17) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)