ADHDに対する集中治療プログラムの効果:久留米大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/05 注意欠如・多動症(ADHD)の小児におけるコルチゾール覚醒反応(CAR)についてはほとんど知られていない。久留米大学の岡部 留美子氏らは、集中的な夏季治療プログラム(STP)の前後および4ヵ月後のADHD児およびその母親のCARを調査した。Brain & development誌オンライン版2017年3月24日号の報告。 対象は、2009~10年にSTPを完了した7~12歳の小児37例およびその母親。コルチゾール測定のために、覚醒時とその30分後の1日2回、STPの前と後、そしてフォローアップ期間に毎日唾液サンプルを収集した。ADHD症状スコアは両親による評価とし、対象患者はKid-KINDL QOLアンケートを完了した。 主な結果は以下のとおり。 ・ADHD児のCARは、STP前は低かったが、STPの4ヵ月後では増加した。 ・母親のCARもSTP後、増加する傾向にあった。 ・ADHD児におけるCARの変化は、ADHD不注意スコア(p=0.091)、身体的健康(p=0.070)、Kid-KINDLの学校生活下位尺度スコア(p=0.079)の改善と相関する傾向にあった。 著者らは「STPによりADHD児の行動やQOL改善が認められた。STPは、終了後のCAR増加に反映されたように、HPA軸機能の改善に結び付く可能性がある」としている。 関連医療ニュース もしかしたら、食生活の改善でADHD発症を予防できるかも ADHD児に対するスポーツプログラム 子供の運動能力とADHDは相関するのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Okabe R, et al. Brain Dev. 2017 Mar 24. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)