Core Valve、日本人重度ASにおける中間成績~日本循環器学会学術集会

提供元:ケアネット

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公開日:2017/03/24

 

 大阪大学の鳥飼慶氏らは、2017年3月17~19日に行われた第81回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trialセッションにおいて、高リスクの重度大動脈弁狭窄症(AS)における自己拡張型大動脈置換弁Core Valveの前向き多施設研究CoreValve Japan試験の中間成績を報告した。この結果は、Circulation Journal誌に同時掲載された。

 CoreValve Japan試験は26mm/29mm弁のコホートと、23mm弁の2つのコホートで行われた。26mm/29mm弁のコホートには55例が、23mm 弁は1年後に20例の患者が登録された。

 CoreValve Japan試験の主な結果は以下のとおり。

26mm/29mmコホート
・患者の平均年齢は82.5歳、男性30.9%、NYHAクラスIII/IV 100%、STSスコアは8.0であった。
・3年間の全死亡率は32.6%で、重度大脳卒中は15.4%であった。
・平均圧力勾配(MPG)、有効オリフィス面積(EOA)、NYHAクラスは持続的改善を示した。
・3年目の弁周囲逆流(PVR)は、なし・少量54.3%、軽度40.0%、中等度5.7%、重度0%であった。

23mmコホート
・患者の平均年齢は81.0歳、男性5.0%、NYHAクラスIII/IV 100%、STSスコアは7.0%であった。
・2年間の全死亡率は5.0%、重度脳卒中は5.0%であった。
・MPG、EOA、およびNYHAクラスは持続的改善を示した。
・2年間のPVRは、なし・少量50.0%、軽度44.4%、中等度5.6%、重度0%であった。

 鳥飼 慶氏はプレスインタビューで、今まで海外では23mm弁のデータはなかったが、今回の試験でこの小さなサイズでも弁口面積が確保され、大きな弁径と変わりないデータが初めて示されたことは世界的にも大きな知見であると述べた。

(ケアネット 細田 雅之)