抗精神病薬誘発性傾眠、薬剤間の違いは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/07/27 傾眠は、抗精神病薬の一般的な副作用の1つである。中国・Shanghai Hongkou District Mental Health CenterのFang Fang氏らは、統合失調症、躁病、双極性うつ病、双極性障害に対し抗精神病薬を処方された成人患者を対象としたプラセボまたは実薬対照無作為化二重盲検試験についてMEDLINE検索を行い、傾眠の副作用発現率を評価した。CNS drugs誌オンライン版2016年7月2日号の報告。 元文献より、傾眠の発現率を抽出し、精神状態別に各抗精神病薬の投与量に基づきプールした。その後、絶対リスクの増加(ARI)、抗精神病薬の相対的なNNHを推定し、精神状態別にプラセボまたは実薬(対照薬)との比較を行った。 主な結果は以下のとおり。 ●急性の統合失調症、双極性躁病、双極性うつ病における傾眠のARIは、以下に分類できた。 ・重度:クロザピン ・中等度:オランザピン、ペルフェナジン、クエチアピン、リスペリドン、ziprasidone ・軽度:アリピプラゾール、アセナピン、ハロペリドール、ルラシドン、パリペリドン、cariprazine ●ブロナンセリン、brexpiprazole、クロルプロマジン、iloperidone、sertindole、ゾテピンによる傾眠リスクは、今後の調査が必要である。 ●傾眠の発現率は、いくつかの抗精神病薬において用量および投与期間と正の相関が認められた。 ●抗精神病薬自体を含む多くの要因(傾眠を測定する方法、患者集団、研究デザイン、投与スケジュール)が、抗精神病薬誘発性傾眠の発現率に影響を与える可能性がある。 ●抗精神病薬誘発性傾眠のメカニズムには、複数の要因がある可能性があり、ヒスタミン1受容体、α1受容体の遮断が重要な役割を担っていると考えられる。 ●抗精神病薬誘発性傾眠の管理のために、以下を行う必要がある。 ・睡眠衛生教育を行う ・傾眠リスクの低い抗精神病薬を選択する ・精神医学的診断に基づき低用量から開始し、ゆっくりと増量する ・必要な場合、投与量を調整する ・傾眠が起きやすい薬剤の併用を最小限とする ●ほとんどの場合、傾眠は軽度~中等度であるため、抗精神病薬を中止する前に最低でも4週間は継続することが合理的である。 関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 抗精神病薬誘発性持続勃起症への対処は オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fang F, et al. CNS Drugs. 2016 Jul 2. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 各種抗精神病薬のEPS発現を副作用データベースから分析 医療一般 日本発エビデンス (2017/01/26) 双極性うつ病に対する抗うつ薬使用と躁転リスク 医療一般 (2025/07/04) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 70歳以上の1次予防、スタチンは有益か?/NEJM(2026/09/11) 心不全への経カテーテル三尖弁修復術は有用か/NEJM(2026/09/11) GLP-1RA使用は脱毛を起こす可能性があるが、非瘢痕性で可逆的であるため、丁寧な説明をすることで患者さんの不安解消への配慮を忘れないでほしい(解説:島田俊夫氏)(2026/09/11) 胃がん前がん病変、サブタイプ別の進行率~メタ解析(2026/09/11) 骨盤リンパ節郭清のAI支援、医師の認識能を向上/国立がん研究センター、Jmees(2026/09/11) 認知症高齢者、診断の何年前から自動車事故リスクが高い?(2026/09/11) AF治療中に脳梗塞を招く潜在的要因とは(2026/09/11) バービーとケンの身体プロポーション、より「現実」に近く(2026/09/11) 乳幼児期の睡眠不足、3歳時の発達遅延と関連――日本の出生コホート研究(2026/09/11) [ あわせて読みたい ] 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24) スマートに進める治験/臨床研究~臨床研究中核病院に学ぶ~(2025/10/28)