認知症の重症度を検出するスーパーマーケット課題

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2016/07/22

 

 認知症スクリーニング検査the Rapid Dementia Screening Test日本語版(RDST-J)に含まれるスーパーマーケット課題は、スーパーマーケットで購入可能な物品の単語を迅速(1分間)に回答するテストである。このタスクは、クラスタサイズやスイッチを調べることができる。東京・駒木野病院の森山 泰氏らは、アルツハイマー病患者における認知症の重症度とスーパーマーケット課題のクラスタサイズや転換との関連を検討した。Psychogeriatrics誌オンライン版2016年6月30日号の報告。

 非常に軽度~重度のアルツハイマー病患者250例と健康対照49例を対象に、RDST-Jを行った。患者のMMSEスコアは12~26であった。臨床的認知症評価尺度(CDR)スコアに基づき、4群に振り分けた(0.5、1、2、3)。対象4群と対照群の両方において、スーパーマーケット課題のクラスタサイズとスイッチスコアに基づいた統計学的な分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・クラスタサイズとスイッチスコアは、認知症の重症度に関連して悪化した。
・CDRスコア0.5の患者群は、クラスタサイズは損なわれていたが、スイッチは損なわれていなかった。
・スーパーマーケット課題のクラスタサイズとスイッチスコアは、アルツハイマー病患者における認知症症状の重症度を検出するために有用であると考えられる。

関連医療ニュース
認知症になりやすい職業は
認知症に進行しやすい体型は
たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

(鷹野 敦夫)