焦燥性興奮に対し、どうサポートしていくべきか

提供元:ケアネット

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公開日:2016/03/23

 

 認知症者や急性期病院のせん妄患者では、焦燥性興奮のみられる言動が認められるが、その発生率や病棟スタッフの対応法に関する研究はない。英国・ノッティンガム大学病院NHSトラストのFrancesca Inkley氏らは、混乱した高齢入院患者の焦燥性興奮のみられる言動の発生率およびスタッフによるマネジメント戦略について評価した。Nursing older people誌2016年2月26日号の報告。

 8つの高齢者病棟において、言語上の焦燥性興奮が認められたすべての患者に対し、看護チームが2週間、毎日評価を行った。6項目の半構造化インタビューをスタッフと行い、3時間の非参与観察を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・平均6%の患者(13/223例)において、言語上の焦燥性興奮が毎日認められた。
・マネジメント戦略は、試行錯誤、気をそらすことや約束、安心感を与えること、コミュニケーションや親交を深めることなどであった。
・病棟でのトレーニングやサポート、スタッフ・場所・活動などのリソース不足により、職員はこれら患者へのケアプランを作成する体系的なアプローチを実施できていなかった。

 結果を踏まえ、著者らは「言葉上の焦燥性興奮が認められる患者に対して、サポートするスタッフのための介入法の開発や評価が必要とされる」としている。

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(鷹野 敦夫)