第1世代抗精神病薬はどの薬剤も変わらないのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/22 記述的、非体系的レビューによると、薬理学的に同等な仮説を有するさまざまな第1世代抗精神病薬(FGA)間に有効性の差がないことが明らかになっている。オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らは、すべてのFGAの有効性が同等であるとの仮説を、メタ解析統計を用いたエビデンスベースの検討を行った。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年2月26日号の報告。 統合失調症における経口ハロペリドールと他のFGAとを比較したすべてのRCTを特定するため、システィマティック文献サーベイ(Cochrane Schizophrenia Group trial register)を適用した。主要評価項目は、2群の治療反応とした。副次的評価項目は、尺度によって測定された症状重症度、中止率、特定の有害事象とした。 主な結果は以下のとおり。 ・1962~99年に公表された79件のRCTより、4,343例が抽出された。 ・ネモナプリドだけがハロペリドールと間に有意な群間差が認められ、検討されたその他19薬剤では認められなかった。 ・中止率に有意な差は認められなかった。 結果を踏まえ、著者らは「単一メタ解析比較のほとんどは、検出力不足であると見なすことができ、すべてのFGAは同等の効果であるとの仮説のエビデンスは決定的ではない。したがって、この論点に関する先行研究の記述的、非体系的レビューにおける仮説は、確認も否定もできなかった。また、本調査結果は、個々の比較におけるサンプル数の不足や方法論的な質の低さから限定的である」としている。 関連医療ニュース いま一度、ハロペリドールを評価する 第1世代と第2世代抗精神病薬、認知機能への影響の違いは 第1世代 vs 第2世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dold M, et al. World J Biol Psychiatry. 2016 Feb 26:1-11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)