帯状疱疹ワクチン、接種後3~11年で効果が低下

帯状疱疹ワクチンの予防効果は接種後3~11年で減弱することが、米国・チャールストン・スクール・オブ・ファーマシー大学のStephen J. Cook氏らによるシステマティックレビューの結果、明らかにされた。著者は、「この結果は、帯状疱疹ワクチンの再接種の必要性について問題を提起するものである」と述べ、「臨床医は、患者に帯状疱疹ワクチンを接種するときは予防効果の減弱を考慮しなければならない」と注意したうえで、「水痘ワクチンが帯状疱疹の発症率に影響するか、また、帯状疱疹ワクチンの有効性に影響するかどうか、さらなる研究が必要であろう」とまとめている。Clinical Therapeutics誌2015年11月号(オンライン版2015年10月23日号)の掲載報告。
2006年、帯状疱疹の予防に弱毒化帯状疱疹ワクチンが承認され、初期の第III相試験では、試験期間中はワクチンの効果が持続することが認められた。しかし、長期的な予防効果の検討には追加研究が必要であったことから、研究グループは、ワクチンの有効性の変化を評価している研究に重点を置いたレビューを行った。
帯状疱疹ワクチンの有効性を検証した無作為化試験で2004年以降2015年までに発表された論文を、MEDLINE、EMBASE、CENTRALおよびCINAHLのデータベースにて検索した。
主な結果は以下のとおり。
・6件の研究が、本レビューに組み込まれた。
・2件の第III相試験において、帯状疱疹ワクチンは帯状疱疹のリスクを51.3%~72.4%低下させた。
・帯状疱疹ワクチンはプラセボと比較して、疾病負荷(61.1%)、帯状疱疹後神経痛の発症率(66.5%)、疾患による機能障害(66.2%)および健康関連QOLへの疾患の影響(55%)を低下させ、有効であることが示された。
・サーベイランス研究において、帯状疱疹の発症は追跡期間3.3~7.8年で相対低下率39.6%、4.7~11.6年で相対低下率21.1%であり、ワクチンの予防効果は減弱することが示されている。
(ケアネット)
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