AZD9291、本邦でEGFR-TKI耐性NSCLCの優先審査に指定

提供元:ケアネット

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公開日:2015/11/13

 

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ、以下、アストラゼネカ)は、EGFR T790M 変異陽性の非小細胞肺がん治療薬AZD9291が、2015年10月29日に厚生労働省より優先審査品目に指定されたと発表。

 AZD9291は、「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(以下、EGFR-TKI)の使用中または使用後に病勢進行した、EGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を予定の適応として、2015 年8月に国内承認申請を行っている。米国および欧州でも承認申請中であり、米国食品医薬品局(FDA)からはBreakthrough Therapyに、欧州医薬品評価委員会(CHMP)からは迅速審査の指定を受けている。

 AZD9291は、アストラゼネカが開発した1日1回投与の新規経口分子標的治療薬。既存のEGFR-TKIとは異なる新規の作用機序を有しており、EGFR活性化変異型EGFRに加え、EGFR-TKI治療耐性に関連するT790M遺伝子変異陽性EGFRを不可逆的に阻害する一方で、野生型EGFR に対しての阻害作用が弱くなるよう設計されている。

 EGFR 遺伝子変異陽性のNSCLCは、既存のEGFR-TKIが有効な治療手段とされている。しかし、多くは治療開始1年~1年半ほどでEGFR-TKIに対する耐性が生じ、病勢が進行してしまう。これまでの研究から、EGFR-TKI耐性の約60%において、EGFR T790M耐性変異が生じていることが明らかになっている。

アストラゼネカ株式会社のプレスリリースはこちら

(ケアネット 細田 雅之)