心血管疾患リスクが高いほど汗腺膿瘍の発症率が高い

提供元:ケアネット

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公開日:2015/07/17

 

 汗腺膿瘍の患者では対照群と比較して、心血管疾患リスクが高いことが、北ノルウェー大学病院のThrasivoulos Tzellos氏らによって報告された。British Journal of Dermatology誌2015年7月6日掲載の報告。

 Tzellos氏らは、システマティックレビューを行い、汗腺膿瘍患者では対照群に比べて心血管疾患リスクが有意に高いのかどうかを調査した。

 試験はMedline、Embase、Cochraneをソースとして検索された。試験適格として、症例対照研究、横断研究、汗腺膿瘍患者および対照群の心血管疾患リスク因子の比較を行ったコホート研究である試験が組み込まれた。I2値>50%を異質性ありとした。プール解析のオッズ比はDerSimonian and Laird変量効果モデルを用い、それ以外は固定効果モデルを使用した。

 主な結果は以下のとおり。

・9試験から、汗腺膿瘍患者6,174例と対照群2万4,993例が組み込まれた。
・汗腺膿瘍と有意な関連がみられたのは、以下のものであった。
  肥満(OD 3.45、95%CI:2.20~5.38、p<0.001)
  中心性肥満(OD 2.97、95%CI:1.41~6.25、p=0.004)
  現在の喫煙(OD 4.34、95%CI:2.48~7.60、p<0.001)
  喫煙歴(OD 6.34、95%CI:2.41~16.68、p<0.001)
  高トリグリセリド血症(OD 1.67、95%CI:1.14~2.47、p=0.009)
  低HDL値(OD 2.48、95%CI:1.49~4.16、p<0.001)
  糖尿病(OD 2.85、95%CI:1.34~6.08、 p=0.007)
  メタボリックシンドローム(OD 2.22、95%CI:1.62~3.06、p<0.001)
・一般集団と入院の比較では、入院の汗腺膿瘍患者のほうが一様に上記のオッズ比が高かったが、因果関係を解明するには至らなかった。
・すべての試験で異質性ありとされた。

(ケアネット 森 幸子)