変形性膝関節症と死亡リスク、アジア人でも関連?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/07/21

 

 これまでの研究において、変形性膝関節症(膝OA)は白人の死亡率増加と関連していることが示されている。膝OAの有病率は白人より中国人で高いが、中国人において膝OAと死亡率との関連を調べた研究はないことから、中国・北京大学人民医院のLiu Qiang氏らは農村の住民を対象に調査を行った。その結果、症候性膝OAを有している場合、全死亡のリスクが高まることが明らかとなった。Osteoarthritis and Cartilage誌2015年7月号(オンライン版2015年3月25日号)の掲載報告。

 研究グループは、2005年8月〜10月に、呉川(中国)の50歳以上の住民から無作為抽出した1,025例を登録し、2013年末まで追跡した。
 X線検査で脛骨大腿関節半屈曲立位正面像および膝蓋大腿関節軸射像を撮影し、脛骨大腿関節のケルグレン/ローレンススコアが2以上または膝蓋大腿関節の変形(OARSI基準による)が存在した場合、X線学的OA(膝ROA)と定義した。また、膝痛(過去1ヵ月ほぼ毎日)があり、その膝がROAであることが認められた場合、症候性膝OA(膝SxOA)と定義した。
 膝ROAおよび膝SxOAと全死亡との関連を、潜在的交絡因子で調整したCOX比例ハザードモデルを用いて解析した。

主な結果は以下のとおり。

・追跡調査期間中の死亡は99例であった。
・死亡率(/1,000人年)は、膝SxOAあり群は32.6(95%信頼区間[CI]:19.6~54.0)、なし群は10.9(同:8.8~13.5)であった。
・膝SxOAあり群では、全死亡の多変量補正後ハザード比が1.9(95%CI:1.0~3.5)であった。
・膝ROAについては、全死亡との関連は認められなかった(ハザード比:1.2、95%CI:0.7~1.9)。

(ケアネット)