低ホスファターゼ症治療薬として日本で世界初の承認を取得

提供元:ケアネット

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公開日:2015/07/09

 

 2015年7月6日、米国・アレクシオン ファーマスーティカルズ(Nasdaq:ALXN)は、日本の厚生労働省が、生命を脅かすきわめてまれな代謝性疾患である低ホスファターゼ症(HPP)に対する治療薬として、ストレンジック(一般名:アスホターゼ アルファ)の使用に関する新薬承認申請(NDA)を承認したことを発表した。骨を標的とした酵素補充療法であるストレンジックは、HPPの治療薬として世界に先駆けて日本で初めての承認となる。

 HPPは、複数の身体器官に深刻な影響をもたらす遺伝性、進行性、および代謝性の超希少疾患であり、消耗性または致死的な合併症が引き起こされる骨石灰化不全を特徴とし、骨の変形などの骨格異常のほか、重篤な筋力低下、けいれん発作、疼痛、および呼吸不全などの全身性合併症を生じ、乳児では早期死亡に至ることがある。

 ストレンジックは、HPPの根本的な原因であるアルカリホスファターゼ(ALP)の欠損を解消すべくデザインされた、骨を標的とした画期的新薬(ファースト・イン・クラス)の酵素補充療法である。

 ストレンジックによる治療は、欠乏したALPの補充を通じて酵素基質濃度上昇と骨の石灰化障害を改善し、それにより重篤な骨格および全身性の重篤な病態と早期死亡を予防することを目標としている。

 日本でのストレンジックの承認は、日本の患者も参加した1本を含む3本のピボタル試験であるプロスペクティブ試験とそれらの延長試験、乳児を対象とした1本のレトロスペクティブな自然経過観察試験、および1本の医師主導試験から得た臨床データに基づいており、カプラン・マイヤー分析の推定では、ストレンジックを投与した乳児の HPP 患者の全生存率は 168 週目で 84%を示した。有害事象で頻度の高かったものは、注射部位反応および投与時反応であった。

詳細はプレスリリース(PDF)

参考 希少疾病ライブラリ 低フォスファターゼ症

(ケアネット)