肛門性器疣贅、高用量の酸性化亜硝酸塩クリームで改善

提供元:ケアネット

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公開日:2015/05/29

 

 肛門性器疣贅は、肉体的・精神的な苦痛と医療費を患者に強いる疾患である。英国スコットランド・アバディーン大学のAnthony D. Ormerod氏らは、亜硝酸塩の酸性化による局所への一酸化窒素送達の有効性を検討する目的でプラセボ対照無作為化試験を行い、肛門性器疣贅の治療において亜硝酸ナトリウム6%+クエン酸9%クリーム1日2回塗布はプラセボより有効であることを明らかにした。主な有害事象は局所刺激性であった。JAMA Dermatology誌オンライン版2015年4月29日号の掲載報告。

 研究グループは、2001年12月20日~2003年1月14日に、欧州の泌尿器・生殖器内科クリニック40施設にて無作為化用量設定試験を行った。

 対象は2~50個の肛門性器疣贅を有する18歳以上の男女計299例で、プラセボ群と治療群に無作為化し、被験薬を1日2回12週間局所塗布した後、12週間追跡した。治療群は低用量群(亜硝酸ナトリウム3%+クエン酸4.5%クリームを1日2回塗布)、中用量群(プラセボを朝1回塗布、亜硝酸ナトリウム6%+クエン酸9%クリームを夜1回塗布)、高用量群(亜硝酸ナトリウム6%+クエン酸9%クリームを1日2回塗布)の3群。

 主要評価項目は標的疣贅の完全消失率、副次的評価項目は標的疣贅領域の減少および安全性であった。

 主な結果は以下のとおり。

・12週後の標的疣贅完全消失率は、プラセボ群が74例中10例14%(95%信頼区間[CI]:6~21%)、低用量群が72例中11例15%(95%CI:7~24%)、中用量群が74例中17例23%(95%CI:13~33%)、高用量群が70例中22例31%(95% CI:21~42%)(p=0.01)であった。
・標的疣贅領域の減少、消失までの期間、および患者/研究者の評価は、高用量群がプラセボ群より優れていることが示された。
・治療に関連する全身性または重篤な有害事象はみられなかったが、治療群では用量増加に関連した肛門性器皮膚のそう痒、疼痛、浮腫および変色が認められた。
・治療群全体で21例が有害事象のため脱落したが、プラセボ群ではいなかった。

(ケアネット)