爪真菌症に対しタザロテン有望

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/19

 

 遠位側縁爪甲下爪真菌症は爪真菌症の中で最も多い病型である。爪甲下角質増殖を来し外用抗真菌薬の浸透が限られていることから、抗炎症作用および免疫調節作用を有し、角質増殖を伴う爪乾癬に対する有効性が確立されているタザロテン(tazarotene)が期待されている。イタリア・ローマ大学トルベルガータ校のElena Campione氏らは、予備的な非盲検臨床試験を行い、遠位側縁爪甲下爪真菌症に対しタザロテン0.1%ゲルの局所投与で臨床的に良好な治療成績が得られることを示した。著者は、爪真菌症に対するタザロテンの有効性および安全性を大規模臨床試験で確認する必要があるとまとめている。Drug Design, Development and Therapy誌オンライン版2015年2月16日号の掲載報告。

 対象は、足の遠位側縁爪甲下爪真菌症患者15例で、タザロテン0.1%ゲルを1日1回、12週間、局所塗布した。試験開始時および終了時に爪の真菌培養および水酸化カリウム染色を行い、臨床的治癒および真菌陰性の場合に有効とした。

 また、in vitroにおけるタザロテンの静真菌活性をディスク拡散法(48時間培養)にて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・投与4週後、6例(40%)が真菌学的治癒を達成した。
・投与12週後、全例で臨床的治癒および真菌陰性を認めるとともに、感染した爪のすべての臨床的パラメータが有意に改善した。
・すべての真菌培養検体で、中心領域の増殖抑制がみられた。
・6ヵ月後の追跡調査でも、大部分の患者は治癒が維持されていた。

(ケアネット)