ICUの肥満パラドックス、該当する患者は?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/02/26

 

 一般集団においては肥満が死亡率の増加と関連しているが、危篤状態の患者では、BMIが高いほど死亡率が低いという逆説的相関がみられる。これは「肥満パラドックス」と呼ばれているが、どのようなサブグループが最も影響されるのかは不明である。東京大学臨床疫学・経済学分野の笹渕 裕介氏らは、ICU入室患者について人口呼吸器の装着有無で比較することにより、肥満が低死亡率と関連するかどうかを検討した。その結果、人工呼吸器あり群ではBMIが高いと死亡率が低かったが、人工呼吸器なし群では逆J字型の関連が認められた。また両群とも低体重患者の死亡率が高かった。Respiratory care誌オンライン版2015年2月17日号に掲載。

 著者らは、全国のデータベースから、2010年7月~2012年3月に退院もしくは死亡したICU入室患者33万4,238例を評価した。主要転帰は院内死亡率とした。

 主な結果は以下のとおり。

・評価患者のうち23.3%が、ICU入室後2日以内に人工呼吸器管理を開始していた。
・人工呼吸器あり群は、人工呼吸器なし群より、敗血症、肺炎、昏睡が多くみられた。
・人工呼吸器あり群は、人工呼吸器なし群より、ICU入室後2日以内により多くの治療が施行された。
・制限付き3次スプライン関数によると、人工呼吸器あり群ではBMIが高いと死亡率が低かったが、人工呼吸器なし群ではBMIが増加するほど死亡率が増加した。

(ケアネット 金沢 浩子)