単一成分のヒドロコドン徐放性製剤、慢性疼痛に有効

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/12

 

 ヒドロコドン徐放性製剤「Zohydro」(国内未承認)は、米国FDAに最初に承認された単一成分のヒドロコドン徐放性製剤である。米国・カンザス大学メディカルセンターのSrinivas Nalamachu氏らは多施設非盲検臨床試験において、中~重度の慢性疼痛を有しオピオイドの効果が不十分もしくは忍容性がなかった患者に対し、本剤の長期投与が概して安全かつ有効であったことを示した。著者は、ヒドロコドンの速放性製剤を服用している患者やアセトアミノフェンによる肝毒性が懸念される患者にとって新しい治療選択肢となりうるとまとめている。Journal of Pain Research誌オンライン版2014年11月21日の掲載報告。

 本試験は、6週間以内のヒドロコドン徐放性製剤への変更・用量調整期と48週間の維持期で構成されて行われた。

 対象は変形性関節症、腰痛、神経障害性および筋骨格系の慢性疼痛患者638例で、ヒドロコドン徐放性製剤を1日2回投与した(範囲:20~300mg)。

 主要評価項目は安全性であり、副次的評価項目は長期有効性(平均疼痛スコアの変化量:0~10で評価)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・試験開始時のヒドロコドン等価用量平均値は68.9±62.2mg/日で、維持期開始時には139.5±81.7mg/日まで増量した。
・主な有害事象は変更・用量調整期/維持期でそれぞれ、便秘11.3%/12.5%、悪心10.7%/9.9%、嘔吐4.1%/9.7%、傾眠7.7%/4.2%であった。
・試験中に4例が死亡したが、本試験の治療とは関係していないと考えられた。また、試験終了13ヵ月後に1例の死亡が報告された。
・変更・用量調整期において84%の患者で臨床的に意味のある疼痛改善(平均疼痛スコアが30%以上改善)を認め、維持期においては平均疼痛スコアの平均値は安定していた。

(ケアネット)