重症アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤ウェットラップ療法は有効な選択肢

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/24

 

 重症アトピー性皮膚炎(AD)に対して、少なくとも4週間にわたる、ステロイド外用剤を塗布後にラップで覆う「ウェットラップ療法(WWT)」は有効な治療選択肢であることが明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのSherief R. Janmohamed氏らが、前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。WWTは、小児の重症ADに対する有効な治療となることが支持され、しばしばADの緊急処置として用いられるようになっていた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年3月31日号の掲載報告。

 研究グループは、ステロイド外用剤WWT(治療期間4週間で塗布量を徐々に減量)について評価する無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。被験者は、6ヵ月齢~10歳までの小児で、重症AD(SCORADスコア40±5以上)であった。

 被験者をステロイド外用剤WWT群(1:3モメタゾンフランカルボン酸0.1%軟膏、顔面については1:19モメタゾンフランカルボン酸0.1%軟膏)、または皮膚軟化薬WWT群(ワセリン20%入りクリーム)に無作為に割り付けて評価した。

 主要アウトカムは、SCORADの改善。副次アウトカムは、Patient-Oriented Eczema Measure評価やQOL指数などであった。

 主な結果は以下のとおり。

・ステロイド外用剤WWT群は、皮膚軟化薬WWT群よりも急速かつより有効であった。
・最善の結果は、6~9歳群と0~3歳群で得られた。
・SCORADで評価した有効性についての差は、すべての測定ポイントで有意差が認められた。
・また、QOL指数も同様であった。
・本検討は比較数が少なく限定的である。

(ケアネット)