日本人統合失調症患者、遅発例と早期発症例の特徴は:自治医大

遅発性統合失調症は、DSM-Ⅳには記載がないものの、その臨床的特徴について多くの研究で報告されている。しかし、とくにアジア諸国において、遅発性統合失調症に関する研究は限られている。自治医科大学の安田 学氏らは、疫学調査により遅発性統合失調症と早期発症統合失調症を比較し、その臨床的特徴について検討した。Psychogeriatrics誌2013年12月号の報告。
対象は、1993年4月~2006年3月までに自治医科大学附属病院の精神科病棟に入院した統合失調症患者316例。初発年齢40歳以上を遅発群(38例)、初発年齢40歳未満を早期発症群(278例)として2群に割り付けた。性差、抑うつ症状の有無、統合失調症のサブタイプ、病前性格、婚姻歴、初発時の職歴を両群間で比較した。
主な結果は以下のとおり。
・全症例における平均初発年齢は、男性23.9±8.2歳、女性28.0±13.5歳であった。
・遅発群の特徴は、「女性」「妄想型」「抑うつ症状」が多く、病前性格は「内向的」が少なかった。
・また、遅発群では、発症前の社会適応性が高く、神経遮断薬の使用が少なかった。
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(ケアネット 鷹野 敦夫)
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