中等度~重度の慢性腰痛にトラマドール・アセトアミノフェン配合剤が有用

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/26

 

 トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤徐放性製剤(TA-ER、商品名:トラムセット配合錠)は、2つの有効成分の相乗作用により迅速かつ長期にわたる鎮痛効果を発揮することが示されている。韓国・ソウル大学ボラメ病院のJae Hyup Lee氏らは、第3相二重盲検プラセボ対照並行群間試験により、同製剤が中等度~重度の慢性腰痛の鎮痛と、機能およびQOLの改善においてプラセボより優れており、忍容性も良好であることを明らかにした。Clinical Therapeutics誌オンライン版2013年11月1日号の掲載報告。

 本研究の目的は、慢性腰痛に対するトラマドール塩酸塩75mg/アセトアミノフェン650mg配合剤徐放性製剤(TA-ER)の有効性および安全性を評価することであった。

 対象は、従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)またはシクロオキシゲナーゼ-2選択的阻害薬で十分なコントロールが得られなかった、中等度~重度慢性腰痛(10cmの視覚的アナログスケールで4cm以上、3ヵ月以上持続)患者245例で、TE-ER群またはプラセボ群に無作為化しそれぞれ4週間投与した。

 有効性の主要評価項目は、ベースラインから最終評価時までの疼痛強度の変化率が30%以上の患者の割合であった。

 主な結果は以下のとおり。

・疼痛強度の変化率が30%以上の患者の割合は、最大解析対象集団および治験実施計画書に適合した対象集団のいずれの解析においても、TA-ER群がプラセボ群より有意に高かった(p<0.05)。
・鎮痛成功率は、8日目と15日目においてTA-ER群がプラセボ群より有意に高かった。
・TA-ER群ではプラセボ群と比較して、韓国版SF-36の身体の日常役割機能、全般的健康および健康状態の変化、韓国版オスウェストリー障害指数の身の回りのことに関する項目で有意な改善を認めた。
・疼痛コントロールの患者評価において、「とても良い」と回答した患者の割合は、プラセボ群よりTA-ER群で有意に多かった。
・有害事象は、プラセボ群よりTA-ER群で高頻度にみられた。最も多い有害事象は吐き気、めまい、便秘および嘔吐であった。

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(ケアネット)