ヒュー・ジャックマン氏が公表した基底細胞がんとは

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/26

 

 豪俳優のヒュー・ジャックマン氏が今月21日、鼻にできた基底細胞がんの治療を受けていたことを公表した。また、鼻にばんそうこうを貼った写真を公開し、定期的に診察を受けること、日焼け止めを使用することを呼びかけた。

 基底細胞がんは、表皮の基底細胞に発生する悪性腫瘍。皮膚がんの中では、最も頻度が高いものの、転移はまれで予後はよい。原因は不明であるが、紫外線による光老化、外傷・熱傷の瘢痕、放射線が関与していると考えられている。

 高齢者の顔面に好発し、性状はほくろと似ているが、ほくろよりも青黒く、進行すると腫瘤や潰瘍となる。詳細な臨床的評価とダーモスコピーの所見において他の色素性腫瘍と鑑別するが、診断が確定できない病変においては、生検を実施して確定する。

 基底細胞がんの治療の第一選択は手術療法である。初回手術で病変を切除しきることができれば、根治の確率は高くなる。高齢者などで、外科切除が困難な場合は放射線療法、凍結療法、掻爬・電気凝固術などを検討する。

 今回、ヒュー・ジャックマン氏は、妻のデボラ・リー・ファーネス氏の勧めにより、診察を受けることで、早期発見につながったとみられる。

参考:皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン作成委員会編.皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン

(ケアネット 森 幸子)