慢性腰痛治療のエビデンス、高周波神経切離術は良、神経ブロックは可~良

提供元:ケアネット

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公開日:2012/12/04

 

 腰椎椎間関節への治療介入の効果に関する最新知見について、米国・Mid Atlantic Spine & Pain PhysiciansのFrank J.E. Falco氏らによるシステマティックレビューの結果が発表された。従来法の高周波神経切離術の使用に関するエビデンスは良(good)、腰椎椎間関節の慢性疼痛治療のための神経ブロックのエビデンスは可~良(fair to good)であり、短期または長期に鎮静が得られ身体的機能の改善が認められたことが明らかになったという。一方で、関節内注射やパルス高周波サーモ神経切離術(Pulsed radiofrequency thermoneurolysis)のエビデンスは十分ではなかったとまとめている。Pain Physician誌2012年11月15日号の掲載報告。

 研究グループは、慢性腰痛マネジメントにおける腰椎椎間関節介入の影響について評価・更新を目的としたシステマティックレビューを行った。

 エビデンスは、米国予防医療作業部会(USPSTF)によって開発された質的評価に基づき、良(good)、可(fair)、限定的あるいは不十分(limitedかpoor)にレベル分類した。

 解析に組み込んだのは、1966年~2012年6月までのPubMed、EMBASEと、先行主要レビューの参考文献調査で同定された関連文献などであった。

 主要評価アウトカム尺度は、短期軽減(最長6ヵ月)と長期軽減(12ヵ月)とした。副次アウトカム尺度には、身体的機能状態の改善、精神状態、職場復帰、オピオイドの減量などを含んだ。

 主な結果は以下のとおり。

・システマティックレビューには、122研究が組み込まれた。
・試験・研究の方法論が良質であった(評価の包含基準を満たした)のは、11の無作為試験と14の観察研究であった。
・短期および長期の改善について、高周波神経切離術のエビデンスは良であった。腰椎椎間関節神経ブロックについては可~良であった。
・一方で、関節内注射とパルス高周波法神経切離術のエビデンスは限定的であった。
・このレビューには、エビデンスが不十分なデータも組み込まれている(とくに、関節内注射療法について)という点に留意が必要である。

(ケアネット)