乾癬の発生率、赤道から遠く離れるほど高い?

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2012/10/23

 

 世界的な乾癬の発生率および有病率は、十分には明らかとなっていない。英国・マンチェスター大学のParisi R氏らは、住民ベースで検討された文献を適格としたシステマティックレビューを行った。その結果、年齢や地域によって格差があることなどが明らかとなった。著者は、乾癬の発生率と有病率を調べることで疾病負荷への理解を深めることができたと述べるとともに、さらなる乾癬疫学や時間経過に伴う発生率の傾向などの理解を深め、既存の知見とのギャップを埋める必要があると指摘している。J Invest Dermatol誌2012年9月27日号の掲載報告。

 3つのデータベースを介して、各データベースの提供開始日~2011年7月までの文献を検索した。

 計385報の論文が評価適格であり、53報の研究が、一般集団を対象とした乾癬の発生率と有病率について報告していた。

 主な結果は以下のとおり。

・小児の有病率は、0%(台湾)~2.1%(イタリア)にわたった。
・成人の有病率は、0.91%(米国)~8.5%(ノルウェー)にわたった。
・小児の発生率について、米国より報告された推定値は40.8/10万人・年であった。
・成人の発生率は、78.9/10万人・年(米国)~230/10万人・年(イタリア)に及んだ。
・データは、乾癬の発生が年齢と地域によって異なることを示した。赤道から遠く離れている国において、より頻度が高かった。
・成人の乾癬が全年齢と比較して高率であることを報告した研究では、有病率推計が人口統計学的特性によって異なることが示された。

(ケアネット)