三菱重工、空調機器のフィルター技術を応用した高性能マスクを開発 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2009/11/19 三菱重工業株式会社は16日、世界で初めてタンパク質分解酵素と尿素を織り込んだ、同社独自の「バイオクリアフィルタ」を利用して、ウイルスや花粉などのアレル物質の働きを抑制できる、高性能マスク「バイオクリアマスク」を開発したと発表した。 このマスクは同社の空調機器に採用している独自のフィルター技術を応用したもので、インフルエンザや花粉症の予防に大きな効果が期待できるという。同社は今後、商品化に向けたモニタリングに着手し、既存の高機能マスクを凌ぐ“携帯空気清浄機”の愛称で市場を開拓するとのこと。 バイオクリアフィルタは、2006年から同社の家庭用エアコンに搭載されている。酵素とともに、化粧品や医薬品などで幅広く使われている尿素をフィルターに織り込むことにより、アレル物質や各種ウイルスを変性させ、活動を抑える。具体的には、バイオクリアフィルタ上に捕集したウイルスやアレル物質のタンパク皮膜(エンベロープ膜)の高次構造を、尿素で一時的に緩めて変性状態とし、さらに酵素によって、変性状態のタンパク質を、切断、低分子化することでウイルスやアレル物質の活動を衰えさせる。この仕組みがフィルター内にウイルスなどを捕集するだけのマスクとは異なるという。 マスク本体は4層構造で、手術室などの医療現場で使われている捕集率が高いサージカルマスクに、バイオクリアフィルタ機能を付加している。捕集した細菌などがマスク内で増殖、再飛散するといった危険性を、バイオクリアフィルタで抑制でき、また、この尿素と酵素を加工したフィルターは、ヒトの呼気の温度と湿度で最も効率よく働くよう設計されているとのこと。 同社は、モニタリングを同社内中心に今年度一杯実施する計画で、並行して社外から問い合わせや引き合いがあれば、試作品を提供して市場調査も進めていくとしている。また、2010年2月16日(火)~19日(金)に東京ビッグサイトで開催される「HVAC&R JAPAN 2010 冷凍・空調・暖房展」にも出品し、来場者へのサンプル配布も予定しているとのこと。 詳細はプレスリリースへ http://www.mhi.co.jp/news/story/0911164872.html 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 インフルエンザ予防効果、N95マスクvs.医療用マスク/JAMA ジャーナル四天王(2019/09/19) 新型コロナウイルス、マスクによる拡散・吸い込み抑制効果を実証―東京大 医療一般 日本発エビデンス(2020/10/23) コロナ対策、二重マスクの効果は正しく着けた不織布マスク1枚と同等/理研 医療一般(2021/03/12) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] DES留置後1年以上の心房細動、NOAC単剤vs.NOAC+クロピドグレル併用/NEJM(2025/12/12) 妊娠中の体重増加と母体および新生児の臨床アウトカムの関連/BMJ(2025/12/12) ウォートンゼリー由来間葉系幹細胞の冠動脈内注入は心筋梗塞後の心不全を予防するかもしれない(解説:原田和昌氏)(2025/12/12) ER+/HER2-早期乳がん術後ホルモン療法、giredestrant vs.標準治療(lidERA)/SABCS2025(2025/12/12) ベンゾジアゼピンの使用は認知症リスクにどの程度影響するのか?(2025/12/12) 小児期の肥満は成人後に診療数が多くなる(2025/12/12) AIモデルが臓器ドナーの死亡タイミングを予測(2025/12/12) 脂肪由来の幹細胞が脊椎圧迫骨折の治癒を促進(2025/12/12) アトピー性皮膚炎患者に最適な入浴の頻度は?(2025/12/12)