日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1000

MEDiSHAREキックオフ~ITによる学生からの医療改革~ イベント開催のご案内

ITによる学生からのボトムアップ医療改革を目指す医療学生の団体「MEDiSHARE」は5月26日(土)、Apple Store, Ginza 3F theater にてキックオフイベント「ITによる学生からの医療改革」を開催する。また、スペシャルゲストにはチーム医療3.0のメンバーであり、TEDxOsakaのオーガナイザーでもある神戸大学の杉本真樹氏を迎える。

心臓デバイス感染性心内膜炎、早期デバイス摘出で死亡率は半減

心臓デバイス感染性心内膜炎(cardiac device infective endocarditis:CDIE)の患者では、弁病変を併発している割合が高く1年死亡率が約15%と高いこと、一方で早期にデバイス摘出を行うことで、同死亡リスクは半分以下に減少することが報告された。オーストラリア・Barwon HealthのEugene Athan氏らが、28ヵ国の医療機関を通じて行った前向きコホート試験の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2012年4月25日号で発表した。

慢性虚血性心不全に対する自己骨髄単核細胞の経心内膜注入、改善効果は?

慢性虚血性心不全に対する自己骨髄単核細胞(BMC)の経心内膜注入手技について、左室収縮終末期容積(LVESV)や最大酸素消費量などの心機能の改善は認められなかったことが報告された。米国・Texas Heart InstituteのEmerson C. Perin氏らが行った、2つのプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2012年4月25日号で発表した。

ここまでわかったプラザキサ ~1年の臨床実績からなにを学び、なにが確立されたのか~

 2012年5月10日、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社主催のプレスセミナーが行われた。演者は、山下武志氏(心臓血管研究所所長)。演題は「ここまでわかったプラザキサ~1年の臨床実績からなにを学び、なにが確立されたのか~」。この内容をレポートする。

耐糖能異常から糖尿病に移行する患者は、高血圧も発症しやすい

耐糖能異常において2型糖尿病の発症と高血圧の発症は深く関連しており、αグルコシダーゼ阻害薬アカルボース投与によって、食後高血糖を改善することにより高血圧の発症を糖尿病の発症と同様に抑制することがSTOP-NIDDMの事後解析の結果、示唆された。この解析結果は5月8日に、Journal of Hypertension誌のオンライン版に速報された。

膵管ステント留置はERCP後膵炎を予防できるか?:国内における無作為化比較試験結果

 国内における無作為化比較試験から、膵管ステント留置により、安全かつ効果的に内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)後膵炎を予防できることを示唆する論文が、World Journal of Gastroenterology誌2012年4月14日号に掲載された。これは、東海大学の川口義明氏らの報告で、高リスク患者への膵管ステント留置術を勧めている。

英医学部入試に導入された臨床適性試験UKCATの影響

英国では、医学部新入生の社会的背景枠を広げるための一つのイニシアティブとして、2006年より医学部入学者選考過程に、言語理解力や定量的推論、抽象的推論、決定分析の能力を試す臨床適性試験(UKCAT)を導入した。ダーラム大学のPaul A .Tiffin氏らは、UKCATが、特定の社会階層出身志願者の不利益を減少させたかを評価するため、2009年入学者選考を対象に前向きコホート研究を行った。結果、公正な機会を与えるものとなっており、「全員とまではいかないが、今よりも多くの、社会経済的低階層の学生を英国医師集団に迎え入れていくことになるだろう」と結論している。BMJ誌(オンライン版2012年4月17日号)掲載報告より。

進行胃がん治療におけるベバシズマブのバイオマーカーの検討:無作為化第III相試験(AVAGAST)での評価

進行胃がんの1stライン治療において、ベバシズマブ(商品名:アバスチン、胃がんには未承認)を化学療法と併用する場合の転帰を予測するバイオマーカーとして、血漿VEGF-Aと腫瘍neuropilin-1が候補となることが、5月7日付Journal of Clinical Oncology誌オンライン速報版に掲載された。これは、未治療の局所進行または転移性胃がん患者における、化学療法へのベバシズマブ併用の有用性を検討した無作為化第III相試験であるAVAGASTにおいて評価されたもの。Eric Van Cutsemらが報告した。

【第56回日本リウマチ学会】 新規TNF抗体の患者QOLに与える影響 ~迅速かつ持続的な改善~

2012年4月26日~28日に第56回日本リウマチ学会総会・学術集会が品川で開催された。その中で開発中のTNF抗体「セルトリズマブペゴル(以下CZP)」の日本での臨床試験(HIKARI試験、J-RAPID試験)の患者QOL改善効果に関する解析結果が東京女子医科大学 山中寿氏によって報告された。

精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は?

精神疾患患者における心血管イベント発症要因の一つとして葉酸が関与しているといわれている。特にメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)やカテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)の異常がリスクを増大させると考えられる。Ellingrod氏らはこれら遺伝子異型が抗精神病薬とメタボリックシンドロームとの関係にどのような影響を及ぼすのかを分析した。

職場におけるうつ病患者に対し電話認知行動療法は有効か?

 年々増加している職場におけるうつ病は、生産性の低下など大きな社会的損失をきたす。そのため、様々な治療法が検討されている。古川氏らは職場における小うつ病(閾値下うつ病)および労働効率が低下している状態(presenteeism)に対する電話認知行動療法(tCBT)の有効性を検討した。古川氏らは「tCBTは職場におけるうつ病患者への簡便な治療法のひとつとなりうるが、さらに長期間の検討が必要である」と結論づけている。

低量分割ゲムツズマブ・オゾガマイシン追加療法、AMLの1次治療アウトカムを改善

ゲムツズマブ・オゾガマイシン(GO、商品名:マイロターグ)の低量分割投与法は、急性骨髄性白血病(AML)の1次治療において安全に施行可能で、標準的な化学療法との併用により、標準治療単独に比べアウトカムを実質的に改善することが、フランスVersailles-Saint Quentin大学Mignot病院のSylvie Castaigne氏らが行ったALFA-0701試験で示された。標準治療と、ヒト化抗CD33モノクローナル抗体とカリケアマイシンの複合体であるGOの併用療法は、第III相試験で相反する結果が報告されている。一方、GOは当初、9mg/m2を第1、14日に投与するレジメンが用いられたが、血液毒性や肝中心静脈閉塞(VOD)に起因する肝毒性が高頻度に発現したことから、低量分割レジメン(3mg/m2[最大5mg/m2]、第1、4、7日)が開発されたという。Lancet誌2012年4月21日号(オンライン版2012年4月5日号)掲載の報告。

インスリン デグルデク、2型糖尿病の低血糖、夜間低血糖を改善

 2型糖尿病に対する基礎・追加インスリン療法の基礎インスリンとして、インスリン デグルデクはインスリン グラルギン(商品名:ランタス)と同等の血糖コントロールを示し、夜間低血糖の発現率は有意に低いことが、アメリカ・ベイラー医科大学のAlan J Garber氏らが行ったBEGIN Basal-Bolus Type 2試験で示された。2型糖尿病における膵β細胞の機能不全の進行は、従来の基礎インスリン療法では阻止されず、病態は不可避的に増悪するという。デグルデクは新規の超持効型基礎インスリン製剤で、皮下投与するとマルチヘキサマー(多数の六量体からなる集合体)を形成し、緩徐かつ持続的に循環血中に吸収されるため、超長時間のPK/PDプロフィールを示し、グラルギンに比べインスリン作用の変動が小さいことが示唆されている。Lancet誌2012年4月21日号掲載の報告。

C型慢性肝炎治療薬テラビック投与1週間以内は週2回以上の腎機能検査を -テラビック投与直後における急性腎不全-

田辺三菱製薬株式会社は9日、C型慢性肝炎治療薬テラビック錠250mg(一般名:テラプレビル)について、投与直後の急性腎不全等の重篤な腎機能障害が認められたことを受け、「適正使用に関する重要なお知らせ」を発表し、投与開始 1 週間以内の腎機能検査(週2回)を実施するなどの注意を呼びかけた。

内臓脂肪に及ぼす影響は、ARB間で差があるのか?-メタボリックシンドロームを合併した高血圧-

 メタボリックシンドロームと診断された本態性高血圧症患者における内臓脂肪組織の減少に関してARB間で差がある可能性がDiab Vasc Dis Res誌オンライン速報版に5月4日、掲載された。これは岡山大学の村上和敏氏らによる無作為化比較試験Abdominal fat Depot Intervention Program of Okayama (ADIPO)の結果によるもの。

無作為化試験の患者データを基にしたメタ解析:DES vs BMS

現在のプールされた患者レベルのメタ解析の結果、プライマリPCIを受けたST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、シロリムスやパクリタキセルの薬剤溶出ステント(DES)が、ベアメタルステント(BMS)に比較し、長期間におけるターゲット部位の血行再建を減少させたが、逆に、遅発性再梗塞およびステント血栓症はDES群において増加したと報告された。

オフポンプCABG対オンポンプCABGの30日アウトカム

冠動脈バイパス術(CABG)の施行について、心拍動下(オフポンプ)CABGの人工心肺(オンポンプ)CABGに対する相対的な有益性とリスクを検討する国際多施設共同無作為化対照試験が行われた。カナダ・マクマスター大学のAndre Lamy氏ら研究グループによるもので、血液製剤や術中出血、合併症の減少など周術期の有益性は認められる一方、血行再建術の早期再施行リスクの上昇が認められたと報告している。NEJM誌2012年4月19日号掲載報告より。