駆出率が保持された心不全での抗アルドステロン薬の効果は?/NEJM 最終更新:2014/04/23 ジャーナル四天王 抗アルドステロン薬は、左室駆出率が保持(45%以上)された心不全患者については、臨床転帰を有意に改善しないことが判明した。米国・ミシガン大学のBertram Pitt氏ら「TOPCAT」研究グループが行った3,445例を対象とした試験の結果、示された。同薬は、左室駆出率が低下した心不全患者の予後を改善することが示されている。しかし駆出率が保持された患者については厳格な検討は行われていなかった。NEJM誌2014年4月10日号掲載の報告より。
EGFR野生型NSCLCにおける第1世代TKI vs. 化学療法/JAMA 最終更新:2014/04/23 ジャーナル四天王 EGFR野生型(WT-EGFR)進行非小細胞肺がん(NSCLC)では、第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と比較して、従来化学療法のほうが、無増悪生存(PFS)の改善が有意であることが示された。全生存率も化学療法のほうが高かったが有意ではなかった。韓国・ソウル大学のJune-Koo Lee氏らによる無作為化試験11件のメタ解析の結果、示された。現行ガイドラインでは治療歴のあるNSCLC患者について、EGFR TKIと化学療法の両方を標準治療の選択肢として推奨している。しかし、WT-EGFRを有する患者においてEGFR TKIの有効性が化学療法と同程度であるのかについては、明らかになっていなかった。JAMA誌2014年4月9日号掲載の報告より。
アルツハイマー病への薬物治療は平均余命の延長に寄与しているのか:東北大学 最終更新:2014/04/23 疫学(予後) アルツハイマー型認知症(AD)の進行抑制に対し、ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)は有用であるが、平均余命への影響は不明である。東北大学の目黒 謙一氏らは、AD発症後の平均余命に対するChEIの影響を抗精神病薬の使用および特別養護老人ホームの入所とともに分析した。BMC neurology誌オンライン版2014年4月11日号の報告。
小児の腰痛、画像診断で病変を特定 最終更新:2014/04/23 医療一般 小児の腰痛は、ほとんど原因を特定できないと示唆する研究が散見されるが、プエルトリコ・Hospital de la Concepcion のNorman Ramirez氏らの検討により、腰痛を主訴に受診した小児患者の3割強は、画像による系統的なアプローチによって病変を特定できることが判明した。
カルボプラチン+パクリタキセルは3週ごと?毎週?:進行卵巣がん(MITO-7試験) 最終更新:2014/04/23 医療一般 3週ごとカルボプラチン+パクリタキセル(3wCP)は、進行卵巣がん患者の一次治療標準療法である。一方、毎週パクリタキセル+ 3週ごとカルボプラチン療法は、日本の第III相試験で無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を延長している。本研究は、イタリアのSandro Pignata 氏らにより、毎週カルボプラチン+パクリタキセル(wCP)の3wCPと比較した有効性を評価することを目的に行われた。The Lancet Oncology誌2014年4月15日号(オンライン版2014年2月28日号)の掲載報告。
家庭心拍数とアルブミン尿の関連-2型糖尿病患者での検討 最終更新:2014/04/23 医療一般 家庭で測定する心拍数とアルブミン尿との関連をみたところ、家庭血圧同様に家庭心拍数もアルブミン尿のリスクを高めることが明らかになった。
パロキセチンは他の抗うつ薬よりも優れているのか 最終更新:2014/04/22 医療一般 パロキセチンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)の中で最も強力な作用を有し、多くの無作為化比較試験(RCTs)で検討されてきた。しかし、これらの比較結果やRCTsのシステマティックレビューは、通常、SSRIsに分類される薬剤全体のエビデンスであり、パロキセチン単独に適用可能なものではない。そこで、イタリア・ヴェローナ大学のMarianna Purgato氏らは、パロキセチンの有効性と忍容性プロファイルを、三環系抗うつ薬(TCAs)、SSRIsおよび新規または非従来型の薬剤と比較評価するシステマティックレビューを行った。その結果、治療1~4週の早期の治療効果において、パロキセチンはレボキセチン(国内未承認)よりも効果が高く、ミルタザピンより低いなど、いくつかのエビデンスは示されたものの、他の抗うつ薬との有効性の相違に関する明確なエビデンスは得られなかったことを報告した。Cochrane Database of Systematic Reviewsオンライン版2014年4月3日号の掲載報告。
小児時のアトピーは大人になっても治らない? 最終更新:2014/04/22 医療一般 米国・ペンシルベニア大学のJacob S. Margolis氏らは、全米から長期にわたり被験者を募って行われている前向き観察コホート研究のPediatric Eczema Elective Registry(PEER)登録患者について分析し、アトピー性皮膚炎(AD)の自然経過を評価し、症状の持続性について明らかにする検討を行った。
コルヒチン追加で心膜炎の再発が半減/Lancet 最終更新:2014/04/21 ジャーナル四天王 再発を繰り返す心膜炎患者に対し、従来の抗炎症治療にコルヒチンを追加することで、以降の再発が大きく低下したことが、イタリア・マリア・ヴィットーリア病院のMassimo Imazio氏らにより行われた「CORP2」試験の結果、示された。著者は、「他の無作為化試験の結果と合わせて、今回の所見は、コルヒチンが禁忌あるいは適応とならない場合を除いて、急性および再発性の心膜炎いずれにもファースト治療とみなすべきであろうことを示唆している」とまとめている。コルヒチンは急性心膜炎および再発の初回では有効だが、複数回の再発例に対する有効性、安全性に関するデータはこれまで得られていなかった。Lancet誌オンライン版2014年3月28日号掲載の報告より。
低用量アスピリン、流産とは関連みられず/Lancet 最終更新:2014/04/21 ジャーナル四天王 低用量アスピリンは、妊娠転帰に影響があるのではないかとされていたが、米国・国立小児保健人間発達研究所(NICHD)のEnrique F Schisterman氏らによる検討の結果、出産または流産のいずれとも有意な関連はみられなかったことが明らかにされた。ただし試験では、被験者のうち、前年に20週未満で流産したとの記録が1回ある女性では、生児出生率が有意に高かったことが示された。これらの結果を踏まえて著者は「低用量アスピリンは流産予防には推奨されない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年4月1日号掲載の報告より。
統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs.リスペリドン 最終更新:2014/04/21 医療一般 現在、抗精神病薬の社会的認知に及ぼす影響に関する研究は少なく、また社会的認知機能に対するアリピプラゾールの影響に関してもよくわかっていない。オランダ・ユトレヒト大学のArija Maat氏らは、アリピプラゾールおよびリスペリドンが統合失調症患者の社会認知、神経認知に及ぼす影響を検討した。European neuropsychopharmacology誌2014年4月号の報告。
効かないGERD治療は日本人の労働生産性低下と有意に関連 最終更新:2014/04/21 医療一般 胃食道逆流症(GERD)は、仕事や日常生活の労働生産性に大きな負荷をかける疾患であり、効果のないGERDの治療は、労働生産性のより大きな損失と有意な関連があることが、慶應義塾大学の鈴木 秀和氏らによる研究で明らかになった。Neurogastroenterology and motility誌オンライン版 2014年2月25日号の報告。
「適正使用を」-SGLT2阻害薬への想い- 最終更新:2014/04/21 医療一般 2014年4月17日、2型糖尿病治療薬のイプラグリフロジン(商品名:スーグラ錠25mg、同50mg)が発売された。イプラグリフロジンは日本初の選択的SGLT2阻害薬であり、糖尿病診療医からの注目も高い。そこで今回、アステラス製薬株式会社 本社担当者に話を聞いた。 2型糖尿病の治療は血糖管理を取り巻く諸問題に悩まされてきた。具体的には低血糖、体重増加などである。2014年、新たに登場した選択的SGLT2阻害薬イプラグリフロジンは、原尿からのグルコース再吸収に関わるSGLT2を選択的に阻害することで、余分なグルコースを尿から排泄させ血糖値を下げる。この作用はインスリン非依存的で、作用機序から低血糖が発現しにくいと考えられている。また、体重低下も期待されている。つまり「低血糖リスクの軽減」「体重コントロール」につながる薬といえる。